HG&MP5コース(0908.2001)

2001年の9月8日にHG&MP5コースを実施した。
リピーター参加者が2名のみのプライベートレッスンで、不足している部分を補うスキルアップコースとなった。


フェーズ1
IA系のコースで必ず最初に挑戦するのがコールドショット。
体が温まっていない状態で2〜5m先のペーパーターゲットを自分のペースで5発撃つ。弾速の遅いエアガンでは多くのシューターがターゲットに向かって飛んでいくBB弾を見ながら射撃する。この撃ち方だと2mの近距離では着弾が必ず上にそれる。参加者はこのコールドショットの段階でサイティングとトリガーコントロール、フォームの不都合を修正していく。








コールドショット中の参加者
どちらも無理な力みが感じられず、理想的なフォームで快適に撃っている。
「2メートル先のターゲットなど絶対に外さない」と自身満々の初参加者の多くがこの段階で自分の技術不足を思い知り、急に謙虚になる。

フェーズ2
ハンドガンのドローからMP5との連携までを反復繰り返し復讐する。
精度とスピードの不足を補うには「とにかく撃つべし」などと言う者がいるがこれは間違い。どれだけ集中しているのかが重要で弾数は問題ではない。なぜスムーズに抜けないのか問題点を指摘し、簡単なヒントを与えるだけでどんどんレベルアップしていく。

「5 to GO」や「ダブルトラブル」「スピードオプション」などのIPSCコースでタイムを計る。各々の動作を分析しながらタイムが速くならない理由を洗い出し、エクササイズを繰り返す。

フェーズ3
昼食を食べ集中力が途切れがちになる午後からは、マガジンチェンジなどのストッページドリルで動作を複雑にしていく。
参加者は自分のタイミングで撃たせてもらえず、レンジマスターの「ストッページ」のコールでMP5からハンドガンにスイッチしたり、マガジンチェンジしたりと大忙しで、息つく暇もない。

フェーズ4
最終段階は移動しながらのセキュアリング(クリアリング)。
2名横に並んでいる状況ではパートナーとの歩速の調整やカバーエリアの確認、射線を交差させないなど気を使う事も多い。ただでさえ、動きながら止まらずに撃つのは難しいのに、レンジマスターからはランダムにターゲットナンバーが指定され、予期しないタイミングでストッページのコールがある。2m先のターゲットをヒットできずムダ弾も多くなる。








動きながらMP5をコントロールしている。
2名とも上半身のぶれを上手に消している。
ストッページコールで素早くハンドガンにスイッチする。








ハンドガンのストッページドリル。
コンパクトに膝をつき、素早くマガジンチェンジする。チェンジ後に立つ必要はない。ニーリングのまま指定されたターゲットをクリアする。

16:00頃頃終了

装備
毎回、参加者は思い思いの装備を持ち込む。
使いやすくて壊れにくい装備選択がSOPで、参加回数が増えるごとに自然と全員が同じ装備を使うようになる。
代表的なものをいくつか紹介するので、購入の際の参考にして欲しい。





イーグル社製「SASMkVホルスター」(左が45用、右がMK23用)
標準的なローライド(サイ)ホルスター。サムブレイクでアブセイル時の脱落防止ストラップ付。他にMKYなどがあるがサムブレイクが一番良い。コーディラ製ローライドホルスタの問題は、ドローの時にホルスター自体がねじれてハンドガンに引っかかること。抜くのに多少のコツが必要。
右のMK23用は新型の特注品でイーグルから直接仕入れた物。
腿に巻くストラップが変更され使いやすくなっている。左の45用は参加者が自分で東京の業者から9,000円程度で購入した物。この業者は為替の変動で採算が合わなくなり、原価で15ドルほど廉価でストラップなしのデューティーホルスターをMkVと偽って販売している。ストラップなしでは話にならない。店員曰く「最近はストラップなしがトレンドですよ」とのこと。嘘をつくのが犯罪なのは幼稚園児でも知っている。この手の詐欺的商売は枚挙にいとまがなく頭にくる。









SASのCTチームが使う本物の4Aホルスター(ハイパワー用)とM47SFベルト
最高のベルトキットで、一度これを使うとMkVなどあほらしくて使えない。分厚い本皮製のホルスターとベルト(縫製部分を含む)には難燃処理がされており、ストラップはノーメックス製。スチールライナー入りでドロー時に引っかかる事もなく抜きやすい。サムブレイクタブ(親指で引っ掛ける部分)が大型で、ミスなしドローが可能。アブセイルでは、ハンマー周辺にビニールテープを巻いて脱落を防止する。
問題なのは重量。とっても重くCTでしか使えない。もっと問題なのが二度と手に入らない事。たまに国内でも中古の同類ホルスターがSAS御用達などと銘打って販売されるが偽物なので注意が必要。写真と見比べるだけでもカローラとロールスロイスほどの違いが分かる。

DPMトラウザスは最新の官給品。旧型との最大の違いはボタン。平帯で固定されたこのボタンは薮漕ぎで千切れる心配がなく、補修の必要もない。DPMの最大の利点は、第3世代のナイトビジョンにも対応している事。ウッドランドや自衛隊迷彩など50m離れていても見えるのに、DPMは5m先でもほとんど見えない。



ハンドガン(上段左:Mk23、右:ハイキャパ45(レスベアフレーム)、下段左:ハイパワー、右:45参加者カスタム)
KSC製Mk23は快調作動でパワーもある。問題なのはそのサイズで、平均的な日本人には大きすぎて手に余る。
レスベアフレームのHRTガン風カスタムはレンタル用に自作した物。快調作動で強烈なリコイル。精度もそこそこで文句なし。
45参加者カスタムの最大の魅力はアルミスライドに精密ネジで固定された削り出しのフロントサイト。サイトレールのないMkVからのドローでも横ずれしない。
タナカ製ハイパワーはスライドの動きが速くパワーも精度も問題ない。アメリカにいた頃を思い出す。最大の違いはその重量。羽のように軽いのは困る。





MP5(左からMP5A4、A5、SD6、下段がK)
A4は参加者カスタム。ハンドガードにM16用グリップをバーチカルグリップ風に取り付けている。これだけの工夫で格段に使いやすくなる。
A5はハンドガードを大型にしており、大容量バッテリーが入るようになっている。サイトレールにシュアファイアを取り付けられるので便利。
伸縮式のストックはガスマスク装着時に効果を発揮する。ストックラインとサイトラインの関係から固定ストックはガスマスクと相性が悪い。
SD5はアンクルのカスタムで、パワーも回転速度も問題なし。ハンドガード固定用のゴムピースが脱落しやすいので注意が必要。
K(クルツ)はストックなしなのでCTでは使い物にならない。BGコース内のシナリオで悪役が「自称BG軍団」を蜂の巣にするための物。

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