何処であろうと快適に眠る努力を怠らないのがSOP。
暑い環境ではハンモックが有効で、背中の下を風が抜けるだけで格段に快適に眠れるようになる。
伸縮性の高い網タイプのハンモックには、注意が必要。
網をピンと張らないと使い物にならない。横棒を渡すなど設営に手間がかかるため、あまりタクティカルではない。特に問題なのが、ネットにボタンや装備が引っかかり、身動きできなくなること。無理やり突破するとボタンがちぎれる。
伸縮性のない布タイプのハンモックは、支柱の間隔が狭くても前後にゆとりを持たして張ることができ、椅子のような吊り方も可能になる。
支柱への固定がネックになる。
SASハンモックは平帯なので、パラコードタイプと比べて固定しやすいが、表面の滑りやすい支柱に固定する場合は、麻布などのザラザラした布切れをはさんで結ぶと良い。
ハンモックは低く吊るのがSOPで、足側を頑丈に固定し、頭側をクイックリリースノット(泥棒結び)で解きやすくしておくと緊急時に脱出しやすくなる。
一定期間同じ場所を活動拠点にするのならAフレームベッドを設営するとよい。
2本の円材をはさみ縛りで結び、逆V字型のフレームを2セット作る
適当な間隔の支柱にフレームを結びつけるか、両足を埋めて固定する
両側に長い円材を通したハンモックで担架を作り、フレームの載せる
これだけの簡単な手順でAフレームベッドが完成する。
体重でハンモックがピンと張り、快適に眠れる合理的なシステムだが、SASハンモックなどの専用ハンモックが必要になる。アメリカ軍の「折りたたみ式簡易ベッド」でも同じ効果を期待できるが、ジュラルミン製のフレームはでたらめに重く、折りたたんだ状態でもかなりのスペースを必要とする。また、工事用天幕など、強度のある布から自作することもできるが、縫い目の強度を確保しないと簡単に壊れるので注意が必要。
円材には、軽くて強度のある太めの竹が適しており、北海道以外の日本国内なら何処でも簡単に手に入る。わざわざ木を切り倒して支柱を削りだす必要などない。
また屋根を張るのを怠ってはいけない。
就寝中は天候の変化を察知できない。バシャテントなどで屋根を張るがSOP。
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個人用モスキートネット(OD)
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日本の夏山は血に飢えた蚊であふれる。
特にRECONコースのフィールドは動物も少なく人もいない。越冬したのではないかというぐらい大きなヤブ蚊もおり、集中的に爆撃を受ける。不愉快な羽音と洋服越しに針(口?)を突き刺すブスッブスッと聞こえるえげつない音で眠れたものではない。
通気性を確保しつつ痒さから身を守るには、モスキートネット(蚊帳)を使うとよい。特に麻製の蚊帳は蚊を遮断するだけでなく、内部は外気よりも温度が一度下がり、湿度も50%に保たれるので、蒸し暑い夏の夜には救世主になる。状況に応じて使い分けるのがSOPで、FOBではバシャの下のAフレームベッドを包み込むように写真のように設営する。LUPでは木から吊るし裾を固定せず、上半身だけカバーするなど工夫して使う。
蚊は5mmほどの大きさの穴があれば侵入してくる。破れたり、解れたりしたら徹底的に補修するのがSOP。また風に流されやすい(=下に隙間ができる=好き勝手に侵入してくる)ので、四隅を小石で押さえておくと良い。
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