SOP/ナイフ


Z−1とSFポケットナイフ
黒いシースはZ−1用カイデックスシース、SFポケットナイフは、パラコード(肉抜きの平帯)でベルトループに結び付けられている。

ナイフはファーストライン装備なので、

大型ナイフはズボンのベルトからローライドで携帯する
ポケットナイフはベルトループにパラコードで固定してポケットで携帯する


PLCEやアサルトベストから分離して(内側で)携帯する
TIPS
シースに入れて携帯する大型のナイフは、

ハードに扱える
日本刀なみの切れ味
竹を切っても刃こぼれしない
大き過ぎず、適サイズで携帯しやすい
タフなシース

などが究極の選択要件となる。

≪Z-1≫
Z−1は、T.R.D.でデザインし、越前刃物の伝統工芸士佐治武士が製造を担当している。
素材のファイルスチールとは、大工用ヤスリの原料となる硬質のカーボンスチールのこと。鍛造焼入れで日本刀なみの切味と耐久性を持たせられる。竹を切っても刃こぼれしない切れ味と耐久性(ストライダーでも刃こぼれする)は驚異的で、厚さ11ミリファイルスチールを鍛造し(叩いて鍛え)、6ミリ厚に凝縮して焼入れ処理している。佐治氏いわく「新品のヤスリよりも50年以上前から大工が使い、何度も目立てされた「年季の入ったヤスリ」が最高の素材」とのことで、数に限りがある。素材が無くなり次第販売を終了する。

サイズと重量は佐治武士と相談しながら決定している。
「鉈に必要な刃渡りと刃厚」と「重量と携帯性」の間で何度も協議を重ねて決定した。サイズは、刃渡り21センチ、刃厚6ミリ、全長35センチ、400グラムと無理なく(違和感なく)携帯できるサイズに仕上てある。

デザインは、トップヘビーで振り回しやすく、細かい作業にも対応できるように工夫されている。
ポイント(先端)付近の重量と強度をかせぐためにブレード背中側に鎬削りを入れていない。平均的な鉈の刃角で切れ味もシャープだが、刃厚5ミリと強烈にタフなため鈍器として扱える。根元に向けて細くなり、刃角も徐々にシャープになっていく。小枝を削るなどの細かい作業には、根元付近で対応している。

メンテナンスの容易性も追求している。
ブレードは「ハマグリ刃」で仕上られている。フラットブレードよりも耐久性が格段に向上されており、刃こぼれしにくく、研ぎやすい。

グリップは、握りやすさと換装の容易さを追求している。
鉈は鈍器であり、ハードに扱われる。グリップから傷みだすので、換装しやすいほうが良い。そのためフルタングに近い構造にし、ピン2本でグリップを固定している。グリップ素材には、国内で入手が容易な樫古木を使用している。小指に力をかけやすい(ポイントに力をかけやすい)佐治独自のデザインで、滑り止めと肉刺ができにくいように「たこ糸」を巻いてある。黒漆で仕上げており、湿気でグリップが傷む可能性が低い。

ブレードは焼入れたままの黒錆が浮いた状態(写真参照)と、磨いて黒染めされたガンブルータイプの2種類から指定できる。背面と側面にはヤスリの溝を意図的に残しており、作者名(佐治武士)はグリップ内の見えない場所に刻印される。

驚異的な切れ味と刃もちの良さが最大の長所だが、問題点もある。
硬さと粘りを追求したために素材が鉄(Fe)であること。肉をさばいた後に放置するなど、メンテナンスを怠るとあっという間に錆びる(ステンレスでも錆びる)。汚れを拭き取る、油を注すなど基本的なメンテナンスがSOP。

≪ワイズマンナイフ≫
SASサバイバルハンドブックの著者でもある元SASロフティ・ワイズマンがデザインした新型ククリ。
ブレード27センチ、885グラムとZ−1より一回り大きく重い。純粋なジャングル用でハードステンレス製。グリップの角度とデザインが絶妙で振り回しやすく、力を入れやすい。ブレードのデザインはZ−1と全く同じ。レザーとコーディラの2種類からシースを選択できる。

≪RAFエマージェンシーナイフ≫
空軍(RAF)パイロットのサバイバル用に開発されたナイフ。
内側に反ったスロート−カットタイプのブレードは先端が丸まり、パニックでも安心して使える。剃刀なみの脅威の切れ味で、11ミリ径アブセイルロープだろうがシートベルトだろうがサクサク切れる。インナーステンレス・アウターNOMEX(OD)のシースはパイロットスーツに縫い付けるための物で、ベルトループはない。
SASではアブセイル時のザイルロックへの対処用にクイックリアクションベストに貼り付けている。右胸に縫い付けることが多く、シースにはストックエンド(MP5)の横滑り防止の役目も持たせている。

≪RNダイバーズナイフ≫
海軍(RN)のダイバー用のチタン製ナイフ。
チタンはステンレスより軽く鉄以上にタフな素材で、海水に浸かっても錆びない。ダブルポイントブレードで、「刺す」「掘る」などの粗い動作にも対応している。シースは足首に固定するタイプで、堅いゴム製。

≪ポケットナイフ≫
雑多な小作業には、折りたたみ式のポケットナイフを使う。
民生品では、ビクトリノックスなどの多目的ナイフが良い。注意点は、ハサミが付いていも意味がないこと。あまりに多目的を追求するとサイズも大きくなり、重くなる。60ミリ程度の長さのブレード、缶切り、栓抜き、ドライバーがついていればほとんどの作業をまかなえる。ビクトリノックスでは「ファーマー」などが適しているだろう。

軍用ポケットナイフは、民生品より硬いステンレス製。
SFポケットナイフはシンプルな構成で、無駄もなく現場で重宝する。ブレードロック機能付で、多少の荒業でも安心して使える。ARMYポケットナイフには、魚網修理用のスパイク(爪)が付き、格闘用としても使える。しかし、ブレードがロックされないので、力作業には多少の注意が必要。
パラコードでベルトループに結びつけ、トラウザスのポケットに入れて携帯するのがSOP。薮漕ぎ後などには、脱落していないか?結び目がゆるんでいないかなどを確認する癖をつけておくと良い。


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