SOP/サバイバルキット


インストラクターのサバイバルキット
タバコ缶に「単品で購入した装備」と「自作した装備」を詰め込んでいる。

内容:
NATOボタンコンパス、ワイヤーソー、サバイバルマッチ、トラップワイヤー、スペクトラライナー、ロウソク、メス、釣具一式、針とたこ糸、安全ピン、過マンガン酸カリウム、塩の錠剤、コンドーム、綿

TIPS
サバイバルキットは環境にあわせて内容を変化させる。
目的地の地勢や気候によって変化する優先順位(水なのか火なのか、等)に合わせて装具を決める。コンパスは鉄製の装具と干渉しないように銀紙に包むのが常識。針やワイヤーソーなどの鉄製の装具は油を注してから銀紙に包む。塩の錠剤やマッチなどはジップロックに入れて管理すると良い。
装具の有効期限に注意し、定期的に交換する。

キットの中身はクセのある装具が多く使いこなしにくい。日ごろから実験と練習を繰り返し、いつでも使えるようにしておくのがSOP。

≪ケース≫
サバイバルキットのケースには真鍮などの非磁気性の金属を使う。
理由は鉄を含む金属には磁気性がありコンパスと干渉して精度を狂わすため。写真ケースは官給品のタバコ缶。サイズは8cm×11cm×2.8cmと、日本製のものに比べて小さい。裏ブタには防水パッドがついており気密性を高めている。フィールドに持ち出す際にはゴムテープで密閉しさらにジップロックに入れてテープで固定して携帯する。

≪NATOボタンコンパス≫
NATOミルスペックで作られた逸品。
直径15ミリ、厚さ5ミリの小型コンパスで、キット内で場所を取らないし、トラウザスのウェストベルトにも仕込める。ティリチウムで北と南を指すので、暗闇でライトを点けなくても方位を確認できる。サバイバルキット内で管理する場合は、銀紙で包み、他の磁気性金属(ワイヤーソーなど)と干渉しないようにする。

≪ワイヤーソー≫
糸状のノコギリ。
元々は手術で患者の骨を切断するために開発された医療用器具。鉄製なので錆は大敵。油を注しジップロックに入れて管理する。付属のリングは外し、スペクトラワイヤー製のリングで代用する。鉈では無理なほど太い幹でも比較的短時間に切り倒せる。使い方にコツがあり無理に力を入れたり、熱を持たせ過ぎると簡単に折れる。

≪サバイバルマッチ≫
アウトドア用の物で充分に使える。
暴風豪雨対応のマッチをジップロックに入れて管理する。ケース側の擦り面も切り離して使う。マッチと擦れないように工夫しないとサバイバルキット自体が燃えるので注意が必要。
肝心な時に使えないようでは困るので、定期的に交換するのがSOP。サバイバルキットから着火キットを分離して管理する場合はフィルムケースに入れて管理すると良い。

≪トラップワイヤー≫
園芸用の真鍮製ワイヤーから自作する。
ODの平帯を繋げると木の幹などに縛り付けやすくなリアンカーが確実になる。小動物専用で効果的に使うには経験が必要。仕掛ける場所やトラップの種類、偽装の手順を確立しないと使い物にならない。

≪スペクトラライナー≫
スペクトラは防弾繊維で鉄の10倍の強度を持つ。
直径1oのこのライナーは250kgの重量にも耐えミドルサイズの獣を捕らえるためのトラップワイヤーに転用でき、弓の弦としても使える。横からの力に弱く、ハサミで切ることができる。擦切れなどの問題はロウを刷り込むことで克服できる。

≪ロウソク≫
動物脂肪製のロウソクは食用になるが温度や湿気に弱く変形したり、いたんだりする。植物脂肪性は食用にはならない。
着火の際にマッチを節約するのに有効で、閉め切った狭いスペース(雪中シェルター等)では暖を取るのにも使える。マッチ同様限りある資源なので焚き火への転用など、いかに節約するかを考えながら使う。

≪メス≫
刃の部分だけをパックされた状態のままで管理する。
動物の皮を剥ぐ、魚を三枚におろすなど用途は無限。使う際には木の枝などで柄を自作する。刃が欠けやすく中程度以上の仕事には向かない。鉈やナイフでは無理な細かい作業に限定して使うと長持ちする。薬局で購入できる。

≪釣具一式≫
国内では有効な装具。
狩猟よりも手軽に食材を調達できるが、効果的に利用するには地勢やエサなど正しい知識と経験が必要。魚との知恵比べに勝てるだけの我慢強さも要求される。針が大量にあれば鳩程度までの大きさの鳥を捕獲するのにも使える。

≪針と糸、安全ピン≫
衣服の補修などに役に立つ。
外れかかったボタンの再固定、破れたズボンの補修など用途は無限にある。針には動物の皮を縫い合わせれるだけの強度が必要でレザー用の大型の物がベスト。安全ピンは何かを即席に固定するのに便利。

≪過マンガン酸カリウム≫
消毒と着火に有効な薬品。
薬局で手に入るが、実験用の精度が高く細かい粒子の物が良い。汚染されている水を消毒するのには水がピンク色になる程度まで混ぜる。真っ赤になるまで混ぜると傷口の殺菌にも使える。二千度近い温度で燃えるため着火剤としても利用できるが火力が安定しない。グリセリン(潅腸液)と混ぜると化学反応を起こすので遅延式の着火剤(SASではナンバー5と呼ぶ)になる。

≪塩の錠剤≫
塩分は日常生活に必要なエネルギー。
身体を動かすと汗に混じって対外に放出されるが、食物がある間や短期間である場合は摂取する必要はない。摂取する場合にも錠剤を砕いて少量ずつ水分と一緒に補給する。薬局で購入できる。

≪コンドーム≫
ゴム風船より破れにくく即席の水筒として利用できるが本来の目的のための潤滑用ジェルが問題。害は無いのだろうがジェルと混ざった水を飲む気にはなれない。ジェルなしのコンドームなど見たことが無いがどこかで手に入るのだろうか?

≪綿≫
ケース内の余分なスペースを埋めるのに使う。火口としても利用できる。
ファーストドレッシングの中身は良質の綿で乾燥していれば最高の火口になる。高分子吸収帯でない種類の生理用品の中身も良質の綿。

≪マグネシウム≫
サバイバルキットからは分離して管理する。
サバイバルマッチやフリント、鋸刃や火口用の麻紐と一緒に専用の防水ケースに入れて携帯すると良い。マグネシウムとアルミから出来たこの装具はブロック状で燃えることはないが細かく削り出すと二千度近い温度で燃える最高の着火剤。注意点はナイフで削り出すと刃がこぼれる事。缶切りなどの鈍角な刃で削り出すと良い。また大量に削り出さないと火口に火を移せないし、フリントの火花だけでは発火しにくい。麻紐で包むなどの工夫が必要となる。麻紐は良質の火口でほぐして鳥の巣状にし、マグネシウムを包んでフリントで火をつける。


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