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捻挫だけでなく、職場にも執拗に嫌がらせを受けていたにもかかわらず依頼人は、警察の介入よりも穏便解決を望んだ。そのため当社は加害者を呼び出し、ケース3の方式で解決を試みた。
しかし、何を血迷ったのかこの男は開き直り、当社を脅すという暴挙に出た。
しかも「社会的責任のある仕事」に就く依頼人の上司に電話やメールから守秘義務違反など、根拠の無いデマを撒き散らした。守秘義務違反はもちろん、金の貸し借りや恋愛問題のトラブルなどは、噂になるだけで依頼人は出世の道を間違いなく絶たれ、左遷など理不尽な仕打ちを受けることになる。確信犯の悪質な嫌がらせを止めるには、仮処分申請などの法的措置が有効だが、それでも依頼人は穏便解決を望んだ。
そこで緊急避難的な措置として、加害者の経営する会社の顧問弁護士を捜し出し、嫌がらせを辞めるよう誘導させた。
しかしこの加害者は身内の法律家の助言に耳を貸さず、嫌がらせを辞めないばかりか職場に乗り込むなどと依頼人の上司を脅かす始末。加害者と職場の両方からプレッシャーをかけられ、依頼人が精神的に追い詰められていくのが手に取るようにわかる。マザーテレサのように慈悲深い依頼主も、この段階で自分の将来に影響すると判断、法的措置を決意した。
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このケースで幸運だったのは、何よりも依頼人が問題解決のために積極的だったこと。
他にも暴行直後に相談されたため、医者の診断書をもらうよう指示できたこと、加害者が呑気に証拠を垂れ流しながら嫌がらせしていたことなど、刑事告訴に足る証拠が山ほどあった。もちろん介入後は当社でも事細かに経過を記録していくため、抜かりはない。
前日から協議を重ね、万事準備を整えた上で所轄警察署に出向く依頼人に同行した。
名誉毀損や威力業務妨害、偽計業務妨害や傷害など、考え付く全ての犯罪をまとめて相談した。経過を詳しく説明し、「今でも話し合いによる穏便な解決を望んでいるが、相手にその気がなく、仕事(職場)にも影響が出ているため助けていただきたい。」とお願いしたところ、担当警察官も大変好意的に対応してくれ、相談の翌日には加害者に電話し、「話を聞きたい」と出頭を要請した。
「話を聞きたい」というのは、事件として扱うかどうか決めるために警察が加害者に与える「申し開き」の最後のチャンスのこと。
出頭しなければ自動的に罪を認めているのと同じと判断される。出頭していれば警察も説教するだけで事件にせず、話し合いで解決するよう誘導しただろう。ところが、またまた血迷ったこの男は出頭要請に応じないばかりか、「何もしていない」などと開き直る始末。
結果、出頭要請の電話から一ヶ月で自動的に刑事事件に移行した。
相談から一ヶ月半で現場検証、二ヶ月で供述調書を作成、二ヵ月半で職場上司の供述調書を作成、関係者への事情聴取が繰り返され、115日目に加害者は逮捕された。
素直に罪を認めていれば在宅逮捕で済んだであろうに、この愚かな加害者は、牢屋(拘置所)に収容された。
ワンマン経営の会社がどうなろうと知ったことではないが、送検→起訴され、刑罰が確定するまで拘置所にいるつもりなのだろうか?初犯であれば執行猶予だろうが、執行猶予とは「刑罰の執行の猶予」が執行されている状態であり、期間中に何かしでかせば問答無用で刑務所行きとなる。
また、刑罰の確定後には慰謝料を請求することになるだろう。
法律でどれだけ重い刑罰を受けても、被害者に与えた心の傷や身体的被害を償うことはできない。不始末の責任は、しでかした本人が取るべきもので、不始末の程度を測るには慰謝料の金額を算出していくしか方法がない。少しでも経済的に潤おすことができれば、依頼主も精神的に楽になるだろう。これから先も積極的に支援していく。
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