IAコース(0812〜0814.2001)

2001年の夏はFRコースを開催する予定だったが、参加者の希望でIAコースに変更した。
参加者は初体験1名と経験者3名の計4名。初参加者もアブセイルコースとHG&MP5コースの経験者で、チーム内には経験以外の能力差はあまりない。スムーズにチームジョブとシナリオに移行できた。。


8月12日: フェーズ1
初日の午前中に参加者のアブセイル能力を確かめる。
経験豊富な参加者は慣れと自信過剰から安全管理を省きがちになり、あまり経験のない参加者は何に注意すればよいのか忘れている。当日は曇り時々豪雨で、暑さと湿気も参加者の集中力を奪っていく。アンカーの確保やダブルチェック、装具の扱いと管理まで、細かく観察した。

午後からはレンジに移動し、ハンドガンとMP5のスキルをチェックする。

三ヶ月前に教えたはずなのにドン・ジョンソンや舘ヒロシ、柴田恭平風にハンドガンを下からすくってドローする。長い期間をかけて身に付けた「間違った癖」を短期間で矯正するには本人の自覚と反復繰り返すエクササイズが必要で、軽く指摘するだけで流す。

今回からショットガンも取り入れた。
マルシンのモスバーグに外部タンクをつなぎ、そこそこのパワーで10m先の複数のマンターゲットを撃つ。ポンプアクションの扱いには慣れが必要で、いきなり大門の真似をしても上手くいかない。実銃は大砲のようなリコイルで10発も撃つと肩甲骨が痛くなり二度と撃ちたくなくなる。ストックをしっかり片付けして撃つのが基本だが肩にばかり注意していると給弾が上手くいかない。全員が扱いに苦労していた。
撃ちながらの給弾もショットガンの醍醐味だが、悲しいことにモスバーグはチューブマガジン。次回からはライブシェル式の870を使う。

日中に半ズボンの参加者を爆撃していたヤブ蚊の大群が日が暮れると同時に姿を消す。普通は逆なのにどういうことなのだろう?

日没後にナイトシューティング。蚊がいないのですこぶる快適だ。
ライトをハンドガンの後ろで照らす方法や横から照らす方法、離して照らす方法などの様々なスタイルを試し、サイティングとの関連性を体験から学ぶ。

19:30終了

8月13日: フェーズ2
二日目は終日突入の手順を学ぶが、先にやることがある。
朝一番で竹材とポンチョなどから壁とドアを作るのだがすでに気温は30度越え。これだけでへばりそうなほど暑い。それにもかかわらず参加者の一人はアメリカのノーメックススーツ(冬寒く、夏暑いという厄介な代物)を着ている。蚊に刺されたくないのだろうが誰よりも早くくたばっていた。しかもこの日の日中は1匹の蚊も見かけない。肉体労働と暑さと見込み違い。これぞまさしく三重苦。

突入には個人能力以外にもチーム能力が要求される。2名ペアで一部屋を担当し、順番にクリアリングしていく。コツは二人が同時に部屋に入ること。スピードよりもタイミングが重要になる。

ハンドガンだけの突入からMP5、ストッページドリルと手順が増えていき、ブリーチング(ドア開け)の要領も蹴破るだけからスタングレネード、フレームチャージと回を重ねるごとにどんどん複雑になっていく。

15時ごろから設定を与え、参加者自身にシナリオの準備をさせる。
アブセイル付きのかなりリアルで複雑なシナリオで、爆竹とは言え火もコントロールする。
手抜かりは20mフリーフォールや火傷に繋がる。参加者の目の色も違ってくる。






シナリオ準備中の3名がザイルのアンカー確保で悩んでいる
安全管理の責任者でもあるTL(チームリーダー)はなかなか最終的な決断を下せない。「自分一人なら構わないがチームの安全となると神経が擦り減る」とのこと












FAPに降下中のポイントマン




FAPでポイントが壁にフレームチャージを貼り付け、セカンドがバックアップしている。この画像にはいくつかの間違いがある。分かるかな?








壁に穴を開けている








穴開けの3秒後
2名ペアでR-1(1部屋目)をクリアリングしている

初参加者も経験者に引っ張られてスムーズに役目をこなす。全員が自分がどんな役割で何をするべきか正しく理解できているチームの流れるような一連の動作は見ていて惚れ惚れする。

設定を変更して同じシナリオをもう一度実施し、20:30頃終了。


※8月14日の記録※

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