注意事項

BSRユニットは電子部品です。組み込みから使用、管理についていくつかの注意事項とコツがあります。
組み立て説明書及び使用説明書と合わせて以下の事柄も充分に確認していただいてから作業を始めてください。

作業上の留意点

作業開始前の留意点
BSRユニットをどの電動ガンのどの位置に、どのように組み込むのか?
組み込み後のメンテナンス(電動ガンの分解と組み立て)に影響しないか?
着脱式にするのか?
ボリュームはどこに配置し、どう配線するのか?
リローディングスイッチをどの部品に仕込み、どのように作動させ、どのようなルートで配線するのか?
コネクターなどの付属パーツの種類と量は確保できているか?
どのような流れで作業するのか?
組み込み位置や配線、段取りに無理がないか?
必要な工具類は揃っているか?

作業中の注意事項
ハンダ付け
電子部品の中には熱に弱い物もあり、長い時間加熱すると機能が損なわれることもあります。ハンダ付けではハンダとハンダゴテ、接続するパーツ×2以上と多くのものを両手だけで同時に取り扱うことになり、どうしても無理があります。
ハンダ付けは可能な限り短時間に済ませるのが理想で、それには少なくとも片方の部品を動かないように固定し、ハンダもあらかじめ双方の接続箇所に肉盛りしておくとよいでしょう。これでハンダゴテと部品×1を取り扱うだけになり、ハンダ付けの作業効率が上がります。
一般的に部品の固定には万力をつかいますが、電子部品の中には無理な力がかかると壊れる物もあります。力加減に充分に注意してください。また、ハンダの肉盛りにはフラックスを使うと食いつきが良くなります(工具紹介参照)。

静電気
全ての電子部品を組み込んだ状態のBSRユニットについては静電気をそれほど心配する必要はありません。
しかし、電子部品は一般的に静電気に対して非常にデリケートです。取り扱う前に金属棒を握る、腕時計状の静電気放電バンドを装着するなどし、帯電した静電気を体内から放出するようにしてください。特に寒い時期に何枚も重ね着しているような時に注意が必要です。

モーター
バージョン2メカボックスなど、モーターがグリップ内で浮いた状態の場合は、配線後にモーターがグリップ内で楽に上下動するかを確認してください。動かない場合は
グリップ内の配線スペースにゆとりがない
配線を間違えてる
などの原因が考えられます。グリップ内壁を加工するなどの必要な措置を施してください。

無理な配置でモーターが回転しにくい状態のままBSRユニットを組み込むと、モーターに過度の負荷がかかり、MOS−FETが致命的なダメージを受けることがあります。注意してください。
また、グリップ内の配置以外にモーターの回転に影響を与える要因としてはメカ系のカスタム内容が挙げられます。
過度のハイパワーカスタム
軸受けとシムのタイトな設定
などのモーターに過度の負荷をかける可能性の高いカスタム銃での利用はお奨めしません。ご注意ください。

配線
図解入りの組み立て方法を確認しながら作業してください。
BSRユニットには、パワーライン(バッテリーからモーターまでの動力線)とボリュームとトリガースイッチ、リロードスイッチからの信号をユニットに伝える信号線があります。
純正のパワーラインは極性があり、赤が+、黒が−です。接続するモーターも純正の場合は+側に赤マジックで印がついていますし、システマモーターの場合は裏蓋に+表示が刻印されています。特に銀メッキテフロンコードでコードチューンする場合は極性を見失いがちです。油性マジックで印を付けておく、作業が終了するまでビニールテープを巻いておくなどして+−が正しいかどうかを常にチェックするよう心掛けてください。

リロードスイッチとトリガースイッチについては極性はありませんが、ボリュームについては3本の信号線を正しい位置に接続する必要があります。組み立て説明書を参考に慎重に作業してください。

絶縁
BSRユニットは電装パーツであり、雨や結露などの水分に敏感です。基本的に電動ガンの内部に組み込む装置であり小降りの雨程度なら問題ないでしょうが、万が一にトリガー操作なしで作動してしまうようなトラブルがないともいえません。そのため基板全体を熱収縮チューブなどで絶縁・防水処理し、剥き出しのままでは使用しないようにしてください。特にハンドガード内に組み込む場合は、ハンドガードの穴などから水が入ってくることもあります。くれぐれも注意してください。

パワーラインや信号線とコネクター類の結線でも絶縁処理は大切です。
信号線を着脱式にするためのPHコネクター(凹側)はピン同士の間隔が狭く、取り外す際に力がかかる部品でもあり、ハンダ付けした箇所の強度も心配です。熱収縮チューブで絶縁・保護するとよいでしょう。

ヒートシンクを使う場合は放熱効果を考えると剥き出しにするほうがベストですが、他の金属部分とショートしないように充分に注意してください。FETとの接続に絶縁シート+ポリカねじを使うとヒートシンクがパワーラインから切り離されるので安心です。放熱効率は低下しますが基板を含む全体を熱収縮チューブで保護しても良いでしょう。

動作確認
動作確認の前に、
組み立て説明書通りにパワーラインと信号線が接続されているか?
接続(ハンダ付け)箇所の強度は充分か?
絶縁処理は徹底されているか?
などを確認してください。
完成したBSRの動作を確認するには3種類の手順があります。

まずモーターをギアボックスから切り離した状態での動作を確認します。ピニオンギアが高速で回転するため危険です。まずはパワーラインと接続したモーターを万力に固定してください。次にバッテリーを接続しますが、ボリュームは最小値に設定しておいてください。トリガー操作なしでモーターが回転する場合はパワーラインの極性や信号線の接続が間違っている可能性があります。直ちにトリガー操作を止め、配線全体を再度チェックしてください。
トリガーを操作した時だけモーターが回る正常な状態な場合は、各機能が正常に動作するか確かめます。バッテリーを接続した初期状態はバースト機能です。ボリュームを調節し、正常に動作するか確認してください。リロード機能もボリュームを調節しながら設定時間でモーターの回転が止まるかどうかを確認してください。機能切り替えについては使用方法から確認してください。

次にギアボックスに繋いだ状態で動作を確認します。
ギアボックスとグリップ、モーターを正しく接続してください。上記手順と同様のテストですが、この段階ではモーターとFETの発熱具合も確認します。BSRユニットはMOS−FETが人肌以上の温度に発熱しないように設計されています。体感でほんの少し熱い程度であれば正常な発熱です。MOS-FETがかなり熱いようですとモーターも激しく発熱しているはずです。この場合は直ちにトリガー操作を止め、モーターの配置と周辺の配線が正しいかどうかを確認してください。モーターがグリップ内でスムーズに上下動する場合はメカボックス内の異常も考えられます。
ギアは軽く回るか?
軸受けとシアは正しく設定されているか?
ギアボックス内部に正常な動作の妨げになるような要因はないか?
などを確認し、問題があるようなら解決しておいてください。
グリップ内でモーターを逆向けに設置したり、配線を間違えるなどするとモーターは逆方向に回転しますが、ギアボックス内の逆転防止ラッチがギアの回転を止めます。この場合回転できないモーターには電流が流れつづけ、過度の負荷がかかります。同様にMOS−FETにも過度の負荷がかかり、一瞬のうちに発熱・故障することがあります。配線の極性にはくれぐれも注意してください。

ここまでのテストで異常がなければ電動ガンに組み込んでも正常に動作するはずです。
最終テストは電動ガンに組み込んだ完成品の状態で動作を確認しますが、くれぐれもチャンバー内にBB弾が残っていないように気を付けてください。バッテリーと接続した途端に(トリガー操作せずに)モーターが回転する場合はパワーラインまたはトリガースイッチへの信号線に問題があると考えられます。コード外皮が削れてコード同士や金属部品と接触して通電していないかどうかを確認してください。この症状は金属製アウターフレームに換装した場合にありがちです。金属フレーム同士の接続・接触箇所、フレームとギアボックス、ギアボックス内などの狭い場所を無理に配線していないか?コードが挟まっていないか?断線や痛みがないか?などを確認し、問題を解決してください。



使用上の注意

BSRユニットの出力(モーター端子)は絶対にショートさせないようにしてください。特にヒューズキャンセルで組み込んだ場合はショートによる過電流でFETが破損します。

定格を越える電圧(15V以上)のバッテリーは使用しないでください。

使用中に次の動作不良があった場合は直ちにトリガー操作を止め、原因を確認してください。

急な作動停止
急にモーターが回転しなくなる理由には、バッテリーとコネクター、またはギアとピストンなどに問題があると考えられます。破損したギアの一部が引っかかりモーターが回転しなくなるケースでは、トリガー操作を続けるとモーターとMOS−FETに過度の負荷をかける可能性があります。

使用中の異音
使用中にノイズが激しく(大きく)なった、作動音の音質が変わったなどの場合もギア系のトラブルでしょう。ハイサイクルカスタムでよく見られる症状で、ピストンやギアの歯が欠損している可能性があります。そのまま使用するとモーターとMOS−FETに過度の負荷がかかる要因になる可能性もあります。

モーターとMOS−FETの発熱
このふたつの発熱は相互に関連しています。使用中にグリップが異常に熱くなる場合はモーターに過度の負荷がかかっています。

異常な動作
トリガー操作なしで作動した場合は、直ちにマガジンとバッテリーを取り外してください。配線や接触の不良、基板やコネクターへの水分付着などが原因と考えられます。



管理
BSRユニット自体の消費電力はごく僅か(1ミリアンペア以下)ですが、組み込んだ電動ガンを使用しない状況では、必ずバッテリーを取り外した状態で保管してください。

金メッキコネクターなどの接続部分にはなるべく素手で触らないようにしてください。汚れた場合は、きれいな木綿の布(化繊は不可)で磨くと効果的です。接点復活材も効果的ですが、一吹きで充分です。大量に使用するとプラスチックなどの樹脂パーツを傷めることもあります。注意してください。

カスタム電動ガンに組み込む場合は、ギアボックスのメンテナンスを徹底してください。ギアやピストンの破損、シムの焼き付きなどの一見無関係のトラブルがBSRユニットに致命的なダメージを与えることがあります。
汚れや削れた屑の除去
グリスの補充
ギアの状態(削れ具合)の確認と交換
などを定期的に行ってください。

また軸受けをボールベアリングに取り替えている場合、特にノーマル軸受けサイズの径の小さなベアリングでハイテンションスプリングを動作させる場合にはベアリングの焼き付きとボールが飛ぶトラブルに注意が必要です。カスタム具合に合わせて決めた弾数を撃ったあとに一度脱脂し、ベアリング専用オイルを注入するとベアリングの寿命を延ばすことができます。またシム設定の際にベアリング側に径の小さなシムを持ってくるようにすると動作中の急な焼き付けを予防できます。定期的なメンテナンスを徹底してください。


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