SOP/ナイトビジョン(PVS−7A)

LITTON製PVS−7A
増幅間は第3世代のオムニ5(64lp/mm)で、単眼の接眼レンズから取り込んだ光を増幅し、プリズムで分配して複眼の接眼レンズを通して両目で映像を確認する。さすがのLITTON製で、グラスファイバー混入のポリマーフレームは熱にも衝撃にも強い。そこかしこにジュラルミンが採用され、ハードに使っても壊れそうな気配すら感じない。
スイッチは、通常モードとヘッドマウントモードの2種類
OFF位置からスイッチを右にねじると通常モードでONになる。上部のプッシュボタンを押しながらさらにねじるとIRライト(上の画像左下の真鍮製のパーツ)が点灯し、締め切った室内などローライトのコンディションでも問題なく使えるようになる。
ヘッドマウントモードも逆向きの同じ操作で取り扱うが、スイッチを入れてもヘッドマウントと接続しない限りONにならない。切り離せば自動でOFFになる。
リチウムと2AA(単三×2)の両方を使えるバッテリーボックス
2AA用スペーサーが入っているが、ボックス奥のピンと単三の電極のセンターが合っていない。また、ピンと電極は面でなく線(または点)で接触しており、不安を感じる。特にコールドスタートでは、スイッチを入れてから、蓋を空けたり閉めたりしてしめ具合を調節しないと電源が入らない。

電子装備全般に共通する問題は、肝心なときに限って使えなくなること。RECONコースに無線機やPNVを持ち込む際には、事前に電極を磨くなどして接続や接触の不具合を無くす、バッテリーの残量をチェックするなどしておかないと、ただ重いだけの無用の荷物になってしまう。
PVS−7A+ヘッドマウント
この機種は少しだけ設計が古く、560gと重い。ヘッドマウントに装着し、ハンズフリーで使う場合は、後頭部の延髄の上あたりに200〜300g程度のオモリ(バッテリーパックなど)をくくり付けておくと前後のバランスが取れ、長時間連続して使っても首が痛くならずにすむ。
サイドビュー
ヘッドマウントは自分の目の高さにあわせ、ナイトビジョンが正面を向くように微調整を繰り返す。7A用のマウントは頭頂部とjフレーム後方×2、アゴ紐の計4箇所から調節できる。

7Aの視角は標準的な40度。
幅広くサイドをカバーできるので大変にありがたいが、距離感が狂う。体感的には7Aの全長16センチ分だけ全てのものが遠くなる。
もちろんオートフォーカスではないので、普段は遠方にフォーカスを合わせておき、マップリーディングなどではフォーカスを合わせ直して使う。遠距離フォーカスでは、1メートル以内の物は全てぼやけて見える。足元を見ても障害物を見分けにくいので、移動中は2メートル程度先の地面も確認しながら歩くとよい。
7Aから見た画像
4メートル先のモデルを、左手で握った7Aに三脚なしでカメラを押し付け、「ISO:100、シャッタースピード:2秒」という条件で撮影している。もちろん手ぶれだし、オートフォーカスなのでピントが合っていない。手元にあるカメラではこれが限界で、機会があれば一眼レフデジカメで撮り直す予定。
左側が黒くつぶれているのは、7Aの接眼レンズとカメラのレンズの軸がずれているためで、実際にはつぶて見えるることはない。
関連: SOP/NVM14−XR5
SOP/ナイトビジョン
TIPS

実際には、顔のしわまで確認できるほどよく見える。
モデルは、上下同じパターンのDPMコンバットジャケットとトラウザス、SASアサルトベストとジャングルハットを着用している。背景は、芝生のグランドに芝生の土手。

グランドが一際明るく見えるのは、撮影場所から2km離れた町の明かりを雲が反射し、その光を芝生が反射しているため。同じ芝生の土手と明らかに光の密度が違って見える。
グランドからの反射光に照らされてトラウザスも明るくなり、反射光の影響を受けていない上半身(全く同じパターンのDPM)と色が違って見えている。
実際には、増幅管が自動調節してくれるので、もっと自然で違和感のない映像になる。

剥き出しの素肌(顔と両手)はPNGでは白くはっきりと見えてしまう。夜間でも気を抜かずにフェイスペイントやグローブから偽装を徹底するとよい。
黒いブーツもはっきり見える。もちろん光の量など、条件に左右されがちだが、黒などの自然界に存在しない色は、一際目立って見える。アサルトライフルにも迷彩をかけておいたほうがよいだろう。
あとは頭頂部から肩にかけての一目で人間とわかるラインをギリースーツや偽装ネットなどで消し、森など自分より大きなものを背景にゆっくり動くことがPNG対策の基本。

IRレーザーデバイス(試作)
PNVにかかわりだすと、どうしてもIRレーザーサイトが欲しくなる。
中央の銀色のユニットがシュアの6Pのヘッドにはめ込む試作デバイス。6V駆動で、300m先のターゲットを直径20センチ程度のサイズでポイントする。射程は未確認だが、3V駆動のAN/PAQ−4Cなどよりもハイパワーだろう。
販売(または領付)するタイプでは、もちろん上下左右を微調整できるようにする。レーザーサイトとして販売するのか?それとも既存のライトのヘッドユニットと換装するタイプにするかで悩んでいる。
例えば同じく6V駆動のシュアのX200用ヘッドユニットにすれば、レール付のグロックやSIG、キンバーなどをPNV対応にすることができるし、RIS/RASのピカティニーレールにも装着できる。どうしたものだろう...


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※ 個別の性能についてはスペックシートから確認してください。