暴力追放運動

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警察による暴力団締め付けの動きが激しくなり、直接的な暴力的不法行為は減少しています。しかし、暴力団も警察の「民事不介入の原則」はよく心得ており、企業として姿を変え、合法的に利権に絡む、合法的に企業から金をむしり取るなどの方法で活動資金を調達しています。

「集団的で常習的な暴力的不法行為」でない限り、暴力団による不当要求は民事事件です。
暴力団による民事事件が増加している現状に対応するため、積極的に介入することのできない警察は、暴力団対策法の規定を軸に、OBや弁護士からなる「暴力追放運動推進センター」なる組織を都道府県単位でを立ち上げ、民事にも積極的に介入し、被害者を支援できるシステムを作っています。

  • 暴力追放運動推進センター
    暴力追放県民会議など、都道府県ごとに名称が異なります。(以下、暴追センター)
    ほとんどが、警察本部内の暴力団対策課の横にあり、OB数名が常駐しています。電話などから相談でき、民事事件であれば弁護士を紹介され、刑事事件と認定されればOB経由で暴力団対策室が支援することになります。
  • 不当要求防止責任者講習
    警察と暴追センターが主催する講習です。
    企業が暴力団対策法で定める「不当要求防止責任者」を選任し、都道府県公安委員会に届け出ると、定期的に開催される講習に参加し、暴力団への対応要領を学ぶことができます。

この講習では、

  • 相手を確認する (相手がどこの誰かを確認し、対応策を決める)
  • 面接場所を指定する (相手のペースに陥らない)
  • 応対時間と人数をコントロールする (話し合いを長引かせない)
  • 対応者の選任 (トップを表に出さない)
  • 複人数で対応する (1対1での話し合いは避ける)
  • 記録を残す (話し合いの録音・撮影や、経過記録)
  • 相手を見くびらない (言葉遣いと態度に注意する)
  • 相手がプロであることの自覚 (決して謝らず、期待ももたせない)
  • 即答や約束はしない (方針を検討しながら対応する)
  • 連絡しない (相手から連絡させ、こちらの弱みを見せない)

これら10ヶ条をベースに、準備されたシナリオに沿って具体的な対応要領を学べます。
また、暴力団の動向やトラブルの傾向などの最新情報を知れるため便利です。責任者の届け出は、所轄警察署の刑事課(捜査課)で受け付けており手軽です。積極的に利用すると良いでしょう。

  • 暴力追放セミナー
    暴追センターでは、不特定多数の業種を対象に無料セミナーも開催しています。
    2時間の枠内で、警察庁の暴力団対策担当官による暴力団の動向に関する講習、弁護士によるシナリオ実演とアドバイスなど、全ての業種に当てはまるケースから、最新情報と対応要領を知ることができます。

まずはセミナーから組織犯罪の現状を確認し、今後の対応策を決めると良いでしょう。
暴力団によるトラブルを解決するのに必殺技はありません。相手はプロです。自己満足的に「事なかれ主義」や「その場逃れ」で対応すると相手の思う壺です。あの手この手で巧みに攻めてくる暴力団を相手にするのに対応者だけでは荷が重いはずです。会社全体での組織的な対応が不可欠でしょう。

また、外部の専門家の支援や警察との連携は「組織危機管理」で要求される最低限の要素です。
積極的に外部の意見を確認し、会社の立場に正当性を持たせ、少しでも有利にトラブル解決に臨める体制を整備するのが得策です。

継続中の被害にお悩みの皆様は、まず「無料相談」からご相談ください。

(2014年2月7日に一部内容を更新)