ケース7 クレーマー

(2007年公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

2014年現在でクレーマー被害の相談数は増加を続けているが、被害を受ける業種が細分化し、多岐にわたっている。
この類の問題では、「お客様からの正当なご指摘」なのか、「クレーマーからの不当な要求」なのかを早い時期に見極める必要がある。
クレーマーには、「不当な要求には応じない」という、断固とした姿勢で対応する必要があり、「時間がかかる」、「面倒だ」などの短絡的な理由から、金銭で解決を図るとクレーマーを助長することになり、クレームにクレームをつけるような、エンドレスの押し問答に巻き込まれ、金銭と時間を浪費することになる。

今回介入した案件は、マンションの浴室工事を担当した施工業者からの相談で、当該物件に居住するクレーマーから、作業ミスを理由に「浴槽などに傷がついた。取り替えろ。」などと執拗に要求されており、対応に困り、施工日も決めて交換の約束をしてしまったとの内容。

本件では、相談以前に、メーカーが短期間の間に何度も浴槽や浴室乾燥機を取り返させられていること、あたかも●●一家の構成員かのように標榜し、「誠意を見せろ。親父を出すぞ。」などと施工業者を恫喝していることなどから、間違いなく不当な要求であり、悪質なクレーマーであると判断した。「誠意を見せろ」=「金を出せ」である。

依頼主には、施工日の前日にコンサルトから直接の対応方法をアドバイスしたが、現場でどこまで対応できるのかは未知数である。そのため、必要に応じて対応方法をアドバイスするためにコンサルタントとして現場に同行した。

  • クレームの根拠となる浴槽の傷
    斜めに強力な光をあてても目を凝らさないと確認できない。ユニットバスでは一般的に、FRP製の浴槽に光沢を持たせるためにアクリル塗装で表面をコーティングする。左画像は、アクリル面がへこむなどし、光の屈折でFRP面に影が映る現象である。常識的に考えて、この程度の傷で浴槽を交換する必要はないし、元々、いつ、どこで傷がついたのか特定することもできず、使用者責任の範疇である可能性が高い。(影の直径は1ミリ未満)
    001
  • 執拗に微細な傷を探すクレーマー
    当日は、依頼主と施工業者、下請と保険調査員に当社を加えた7名で現場に入った。
    002

納品時の対応方法を決めるにも、クレーマー本人についてよく知っておく必要がある。勤務先が●●一家でなく、●●車体という一般企業であること、本件以外にも数々の問題を起こしており、何度も警察のお世話になっていること、自治会でも問題になるほど反社会的で自己中心的な人格(性格)の人間であることなどを調べ上げた。

交換工事は順調であったが、メーカー直送で未開封の浴槽をクレーマーに直接確認してもらう段階で、おかしな展開になり始め、とても傷とはいえないような箇所を見つけては、「気に入らなければ交換させる」などと喚いている。 施工責任者がメーカーの検品をパスした新品の浴槽であることを伝えたが、大声で恫喝するだけで一向に進展がない。
この段階で依頼主が自分と施工業者では解決できないと判断し、当社に介入を指示、当社は依頼主から与えられた工事関係者の身分でクレーマー本人に直接対応した。
施工業者としては、今以上の対応することはできず、浴槽の再交換の要求には応じられないため、今後は消費者相談窓口等、公的機関に相談することを勧め、すでに取り外していた浴槽を戻すことを申し伝えるまでは、穏便な展開であったが、そのうちに理由もなく激昂し始め、周辺住民の人目もはばからず、喚き散らすようにり、こちらの丁寧な口調に腹を立てたのか、ついに掴みかかるという暴挙に出た。

  • 爪で傷つけられた前腕部(暴行から3分後)
    時間の経過とともにミミズ腫れがひどくなっていく。
    003

この類のトラブルでは、万が一に手を出されることがあっても反撃せず、被害を受け続けることが基本であり、好きなようにやらせていたが、前腕部を爪で傷つけられた時点で、目撃者が多数いることを確認し、蛮行をやめさせた。クレーマーは加害者であるにもかかわらず「警察を呼ぶ」などと喚きながら自宅に戻った。こちらも依頼主に110番通報を指示し警察を介入させた。

その後は所轄の警察署と協議し、暴行傷害事件として書類送致し、クレーマー事件としての観点からも罪を問う、という流れで対応することを決め、被害を届け出た。その間、加害者は警察官を相手に「自分が被害者だ。ねじられた腕が痛くて、肩から上に上がらない。殺されるかと思った。」などと、ありもしない被害を大きな声でまくしたてていた。多数の目撃者がいることも忘れているのだろう。今後は、依頼主が内容証明郵便から一切の対応をしない旨を通知する。これで本件は解決するであろう。

クレーマー事案は、テロまがいの企業恐喝である。
今回の事件でも、一人のクレーマーにより、多くの企業とその従業員の経済活動が停止しており、まさしくテロという表現がぴったりくる。
世間では、声高に消費者保護の必要性が論議されているが、これは消費者が正当な権利を主張しやすくするための環境を整備するためであり、イチャモンやゴネ得を許すためではない。自分に都合のよいように履き違えて解釈するのは勝手だが、人様に迷惑をかけてはいけない。

今回の事件では、幸いなことにクレーマーが暴力を振るうという展開に持ち込め、現に被害も出ていることから警察を介入させることができたが、本来のクレーマー事件とは民事事件であり、警察が関わることはない。企業に必要なのは、不当な要求には応じないという明確な姿勢を持ち、徹底して事実を確認、原因を究明し、真摯な態度から、相手に勝るスピードで対応できる体制を整備することである。どの段階でクレーマーと分類・判断するのかについては、自分たちだけで決めず、法律家や専門家を介入させ、外部の第三者の意見も参考に決定するとよい。

手土産等を含む金銭による短絡的な解決は、クレーマーによる犯罪行為を助長し、自らを継続してカモにしてしまう可能性が高いことを忘れてはいけない。

ケース6 ストーカー

(2001年公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

自称ネットアイドルのストーカー
(インターネット上のグリーティングカードから本人が当社宛に送りつけてきた画像)
g6
片思いの果てにふられたことを逆恨みした、9年以上もの長期間にわたり反復繰り返し継続して依頼主を攻撃している。人を不愉快にさせることについて天賦の才能を持ち、毒を撒き散らし続けている。
平成16年3月現在も解決しておらず、継続して関与している。

自宅に引きこもるこの女の手口は電話やファックス、手紙や電子メールによる間接的な嫌がらせがほとんどで、

  • 毎分2~3回の頻度で早切り電話を一日中続ける
  • 連続で200枚以上のファクスを送りつける
  • 毎分5通以上の頻度で電子メールを一日中送りつづける
  • 伝言ダイヤルに自分の声で依頼主の電話番号を録音し、不特定多数男に電話から攻撃させる
  • 出会い系サイトに依頼主の情報を書き込む
  • ありもしない被害を警察に相談する(警察のホームページからも相談している)
  • ネット上で見つけた依頼主の知人主催の無関係のBBSを閉鎖するまで攻撃し続ける
  • 一般に広く公開されているBBSで依頼主を誹謗中傷し続ける

などなど、思いつく全ての方法から全身全霊をこめて嫌がらせを続けており、悪質極まりない。
最新の嫌がらせは闇金(090金融)に電話し、依頼人の名前と勤務先の電話番号をメッセージを残す方法。もちろん闇金業者は相手を確認するためにメッセージに残された番号に電話する。作為的に闇金業者を操り、電話を受けた依頼人の職場が大騒ぎになるように仕向ける狡猾な手口で職場内での依頼人の立場や地位を貶めようとしている。このトラブルは依頼主の属する業界全体で話題になっているほど有名な事案で、誰もこの女の悪ふざけなど気にもしておらず、相手にもしていない。

当社が介入するまでに弁護士が介入し、警察がストーカー規制法を根拠に2度にわたりイヤガラセを止めるよう警告しているが効果がない。介入後は当社をターゲットに変更したらしく、同じ手口で執拗に攻撃してきている。
損得勘定が全くできず、社会的常識が欠如していることから、重度の人格障害であると考えており、嫌がらせの内容から関係妄想型と過敏型、双方の兆候が見て取れる。
一時期に心理カウンセラーが関与したこともあるが、火に油を注いだだけで効果がなかった。ずっと引きこもっていればストレスが溜まるのは当り前で、依頼主への攻撃以外にも自分の母親に暴力を振るう、家財道具を壊すなどの自虐的な兆候も見られる。母親はすでに娘の暴力に屈し、

  • 娘の代理で警察に嘘の被害を相談する
  • 毎日のように当社や警察に電話し、「あんたらのせいで娘が狂った」などと根拠なくわめきちらす

などしており、保護者としての役割を果たしていない。、

これまで1年半にわたり関与してきたが、解決の見通しが立たない。
依頼人と話し合い、穏便解決を断念し、強制的に解決することを決めたが、いきなり法的措置を執っても効果を期待できない。特にこの女が「心の病」であると、警察も裁判所も被害届を受け付けてくれず、不始末の責任を本人に問うことができない。そこで保健所に措置入院を申請し、行政から「心の病」ではないとの判断結果を取り付けた。これさえあればあらゆる手段でこの女を締め上げることができる。すでに仮処分命令の申し立てをしており、ダンボール15箱ほどの証拠があることから問題なくイヤガラセを止めよとの命令がされるだろう。今後は再発するたびに被害を届け出て、警察にも積極的に支援してもらうことができるようになる。最初の再発では初犯であることを理由に不起訴または起訴猶予、重くても罰金刑程度ですむだろうが、それ以降は懲役がつき、回を重ねるごとに刑期が長くなっていくことになる。

加害者にも人権があるのだそうだが、優先するべきなのは被害者の利益(人権)であり、人間としての社会的義務を果たしていないこの女の人権をどう取り扱うのかについては裁判所で決めてもらえばよい。

今回のトラブルでは色々と勉強をさせてもらっている。
依頼主に変わってこの女からの執拗な攻撃を受けてみると、精神的に追い詰められていく被害者の気持ちがよく分かる。果てしなく続く嫌がらせ電話は、他の業務に著しい悪影響を与えるし、クリスマス当日に上の画像が送り付けられてきた時には、あまりの胸くその悪さに心底気が滅入った。相談してこられる被害者の胸中を身を持って学んだ気がする。

ケース5 ストーカー・DV

(2000年以降に公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

謝罪文を書くストーカー(31歳)。ボールペンを握る手が震えている。
皇室ご用達のとある品を宮内庁に収める歴史あるお店の次男で面会前に遭遇した父親からは息子を見放している印象しか受けなかった。
g5

出会い系サイトに網を張り、引っかかってきた依頼主をトレンド追随型の服装と今風の髪型、ソコソコのルックスでたらしこみ、巧みな話術で骨抜きにするという新種のヒモ型手口で口説いたこの男の弱点は、クレジットに300万円の借金があり首が回らなかったこと。毎月末の返済期日に金を無心しても未成年者にはなんともできるわけがなく、半年で愛想を尽かされた。

捨てられた直後からこの男は、電話や携帯メール、待ち伏せや付け回しなどから、交際中に自分が支払ったホテル代や飲食代を返せなどの恐喝を始め、拉致・監禁やありもしない借金の借用書への署名捺印の強要、依頼主を水商売でアルバイトさせるなどした。最終的に自宅に乗り込んで借金返済を請求したところでトラブルの全容が両親に知れ、当社が介入することになった。

このケースは遠隔地からの依頼であり、電話と電子メール、ファックスなどから経過と証拠の有無を詳しく確認し、事前準備を全て済ませてから現場に乗り込んだ。地理的に加害者の自宅が依頼主宅よりも100キロほど近かかったため、依頼主との最終ミーティングの前に加害者宅周辺を検索したところ加害者の在宅を確認。急遽予定を変更し、そのまま加害者を呼び出し、近所のファミリーレストランで面会した。

直接面会でこの男は達者な話術でいかに自分に非がないかを延々と喋り続けていた。問題点をすり替えるのがうまく、言い訳上手でソコソコの説得力もあるが底が浅い。未成年はたらしこめても当社は騙せない。この類の面会にはいくつかのキーワードを準備していくため、特定の言葉にどう反応するかで相手の心理状態を見破ることができる。そのほかにも何気ない仕草や唇の乾き具合などからも相手の言うことの真偽を判別できる。結局1時間足らずの面会でこの男は自分の非を認め、自発的に謝罪文を書き、涙を流しながら今後一切何もしないと誓約した。

男の書いた謝罪文は、依頼主へのご機嫌伺いであり、示談書でも和解書でもない。
しでかした不始末のについて個別に非を認め謝罪しているので、依頼主はこの謝罪文を根拠に民事から慰謝料や解決金、損害賠償を請求することもできる。これまでに関与した同類のトラブルでは、何よりも円満な解決と再発しないことを最優先に望む依頼主がこのような請求をしたことはないが、このケースではご両親の怒りが尋常でなく、今後どうなるかは未定。そのため、すぐに法的措置が執れる体制を維持している。
もちろん謝罪文に対して依頼主がどのように反応し、どう対応するつもりなのかについて加害者に連絡することはない。この男はこれから先の何年かをビクビクしながら過ごすことになる。

今回のトラブルは、これまでの最短記録のスピードで解決した。
対策費でサポートしている日数がタップリ余っているので、今後も積極的に依頼主をサポートいていく。

ところがこの男は何を考えているのか面会から半年ほど経過したある日に女性であるかのよう声色まで変え、あたかも相談者であるかのように当社に電話してきた。本件相談時から女性の声色を操れることは把握済みで、話す内容からこの男であると特定して説教開始。3分後には泣きながら謝罪していた。嘘泣きと嘘の謝罪を指摘し、再発させたら法的措置で追い込むことをきつく申し渡した。

以降不穏な動きはないが、身の程をわきまえ、二度とふざけたマネをしないことを切に望む。

ケース4 ストーカー・DV

(2000年以降に公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

・交際中の当事者が某一流ホテルで撮影した記念写真。
01
左が加害者で年商5億円の会社を経営している。右の依頼人(被害者)と対照的な「足を開き、ふんぞり返る横柄な座り方」から、この男の人格(性格)が読み取れる。

被害者は、結婚を前提とした真面目な交際を望み、結婚紹介所を通じて加害者と知り合った。何度かのメール交換を経て面会、相手を充分に確認したつもりで交際を開始した。しかし、2ヶ月ほどで加害者が年齢を偽っていたことを知る。本人に問いただしてもとぼけるだけで嘘を認めない。悩んだ末に恋愛や結婚において必要な信頼関係を築けそうにないと判断し交際解消を申し渡した。解消されたことを納得できないこの男は、交際解消後も電話やメール、直接呼び出すなどしながら、ヤクザまがいの口調で脅す、なだめる、甘えるなどの手口を変化させながら被害者に復縁を要求しつづけた。
困り果てた被害者が当社に相談してきたときには、すでにエスカレート段階で、足の捻挫など身体的被害を受けていた。

捻挫だけでなく、職場にも執拗に嫌がらせを受けていたにもかかわらず依頼人は、警察の介入よりも穏便解決を望んだ。そのため当社は加害者を呼び出し、ケース3の方式で解決を試みた。

しかし、何を血迷ったのかこの男は面会に応じず、開き直り、当社を脅すという暴挙に出た。
しかも「社会的責任のある仕事」に就く依頼人の上司に電話やメールから守秘義務違反など、根拠の無いデマを撒き散らした。守秘義務違反はもちろん、金の貸し借りや恋愛問題のトラブルなどは、噂になるだけで依頼人は出世の道を間違いなく絶たれ、左遷など理不尽な仕打ちを受けることになる。確信犯の悪質な嫌がらせを止めるには、仮処分申請などの法的措置が有効だが、それでも依頼人は穏便解決を望んだ。

そこで緊急避難的な措置として、加害者の経営する会社の顧問弁護士を捜し出し、嫌がらせを辞めるよう誘導させた。
しかしこの加害者は身内の法律家の助言に耳を貸さず、嫌がらせを辞めないばかりか職場に乗り込むなどと依頼人の上司を脅かす始末。加害者と職場の両方からプレッシャーをかけられ、依頼人が精神的に追い詰められていくのが手に取るようにわかる。マザーテレサのように慈悲深い依頼主も、この段階で自分の将来に影響すると判断、法的措置を決意した。

このケースで幸運だったのは、何よりも依頼人が問題解決のために積極的だったこと。
他にも暴行直後に相談されたため、医者の診断書をもらうよう指示できたこと、加害者が呑気に証拠を垂れ流しながら嫌がらせしていたことなど、刑事告訴に足る証拠が山ほどあった。もちろん介入後は当社でも事細かに経過を記録していくため、抜かりはない。

前日から協議を重ね、万事準備を整えた上で所轄警察署に出向く依頼人に同行した。
名誉毀損や威力業務妨害、偽計業務妨害や傷害など、考え付く全ての犯罪をまとめて相談した。経過を詳しく説明し、「今でも話し合いによる穏便な解決を望んでいるが、相手にその気がなく、仕事(職場)にも影響が出ているため助けていただきたい。」とお願いしたところ、担当警察官も大変好意的に対応してくれ、相談の翌日には加害者に電話し、「話を聞きたい」と出頭を要請した。

「話を聞きたい」というのは、事件として扱うかどうか決めるために警察が加害者に与える「申し開き」の最後のチャンスのこと。
出頭しなければ自動的に罪を認めているのと同じと判断される。出頭していれば警察も説教するだけで事件にせず、話し合いで解決するよう誘導しただろう。ところが、またまた血迷ったこの男は出頭要請に応じないばかりか、「何もしていない」などと開き直る始末。

結果、出頭要請の電話から一ヶ月で自動的に刑事事件に移行した。
相談から一ヶ月半で現場検証、二ヶ月で供述調書を作成、二ヵ月半で職場上司の供述調書を作成、関係者への事情聴取が繰り返され、115日目に加害者は逮捕された。

素直に罪を認めていれば在宅逮捕で済んだであろうに、この愚かな加害者は、牢屋(拘置所)に収容された。
ワンマン経営の会社がどうなろうと知ったことではないが、送検→起訴され、刑罰が確定するまで拘置所にいるつもりなのだろうか?初犯であれば執行猶予だろうが、執行猶予とは「刑罰の執行の猶予」が執行されている状態であり、期間中に何かしでかせば問答無用で刑務所行きとなる。

また、刑罰の確定後には慰謝料を請求することになるだろう。
法律でどれだけ重い刑罰を受けても、被害者に与えた心の傷や身体的被害を償うことはできない。不始末の責任は、しでかした本人が取るべきもので、不始末の程度を測るには慰謝料の金額を算出していくしか方法がない。少しでも経済的に潤おすことができれば、依頼主も精神的に楽になるだろう。これから先も積極的に支援していく。

ケース3 ストーカー・DV 

(2000年以降に公開、2014年2月7日に一部内容を更新)
出会い系のイベントで知り合った交際相手(依頼人)に別れた後も1年以上継続して手紙で復縁を要求し、肉体関係を強要しようとした妻子持ちの加害者が謝罪文を書いている。
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一流企業に勤めるこの男の手口は積極的に口説き、交際中も暴力と甘言で依頼人を思い通りにコントロールしようとする「飴と鞭」作戦。これは水商売の女性にたかるヒモと同じ手口で大抵の女性は相手の熱意が営利目的とは気付かず、根負けして罠にはまる。このケースで依頼人は不毛の3年間の後、「生産性のない交際」に嫌気がさし、別れることを決意、直接申渡して交際を解消した。

交際を解消されたのを納得できないこの男は、交際解消後も定期的に依頼人に手紙を出し、あたかも交際が継続しているかのような文言で「駆け落ちして北海道で一緒に暮らそう」などの幼稚な手段で復縁を要求しつづけた。依頼人は自然に解決するとの予測から我慢していたが、手紙の頻度が1ヶ月に1度から2週間に1度とエスカレートし、誕生日プレゼントが自宅に届けられた段階で断念、当社に相談した。自分勝手で自己満足的な行為が相手をどれほど不愉快にし、恐怖感を抱かせていたのか気付かないとは情けない。

このようなトラブルでは加害者と同じレベルで争ってはいけない。加害者の知らないところで法律的に包囲していくのが正しい手順。経過を記録し証拠を集め、法的措置の段取りを全て整える。その上で信頼できる友人か当社などの専門家を代理人に加害者と直接面会させると良い。
面会では法的措置の準備ができていることを申し伝え、警察の介入や裁判による強硬解決が良いのか、それとも自分の過ちを認め謝罪し、今後何もしないと誓約することで穏便解決を計るのか二種類の選択肢を提示し、加害者自身に解決方法を決めさせる。(実際は選択肢などない)

加害者との直接面会の目的は継続しているハラスメントがなくなり、二度と再発しないという被害者の望みをかなえることにある。逃げ道を全て塞ぎ、法律的に相手を追い込む詰め将棋にも似たこの解決方法は非常に効果的で、これまでにこの方法で解決したトラブルでの再発率は0%である。しかし面会の要領には専門的なコツがある。何気ない一言が加害者の「逆上のスイッチ」を押してしまう可能性が高いため、当事者(被害者と加害者)同士の直接面会は絶対にしてはいけない。友人を代理人にする場合にも専門家のアドバイスを受けておいた方が良い。

このケースでは被害者へのインタビューから事前準備、加害者との面会まで二日半の介入で解決した。面会時にこの男は「1年も手紙を出しつづけたのに返事がなかった。それに復縁拒否の意思表示もなかった。」と見苦しい言い訳をしていた。ラブレターを書いても返事がないのは交際拒否の無言の意思表示と受け取るのが世間的常識であろうに、なぜ理解できないのだろう?1時間ほどの面談でこの加害者は仕事や家庭生活、社会的信用など失う物があまりにも多いことなどを理由に穏便解決の道を探ることを選び、自分の意志で自発的に過去のハラスメントを謝罪、今後何もしないと誓約した。加害者が手にしているのがその誓約書で、万が一被害が再発した場合に執る法的措置で重要な意味を持つ。もちろん面会の内容は全て録音・撮影されている。無理やり書かされたなどという言い訳は通用しない。

文中では当事者を特定できないよう意図的に真実と異なる情報を織り交ぜてあるが、限りなく真実に近い部分もある。これは当社の名刺(URL記載)を持つ加害者がこのページを見る可能性が高く、継続してプレッシャーをかけるための措置である。
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万が一、再発した場合の対応策は依頼人と協議が済んでおり、直ちに法的措置が執られる。家族や勤務先の知るところになるであろうし、写真からアイマスクが取れ、どこで面会したのかも知れ渡る。

面会から3年程度経過したある日、今度はこの男から相談を受けた。
交際解消した女性からストーカー行為を受けていることこと。被害を確認すると離婚と復縁を要求されているとのこと。自業自得であること、利益相反の可能性もあるため介入しないこと、出家などから人生を見つめ直す必要性を申し渡した。

その後にどうなったのか興味もないが、あまりの間抜けぶりに開いた口が塞がらない。

ケース2 ストーカー・DV

(1998年頃公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

離婚後の家族面会で元妻(依頼人)と子供(幼児)に暴力を振るう元夫を止めた瞬間。フラッシュなしで撮影した画像を修復したもので、DV事案の切迫性と緊張感を伝えるため、依頼人から了承を得て公開する。
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ぼやけて見にくいが、画面右の元夫は社会的に地位が高く、誰もが認めるエリートである。しかし無趣味で人付き合いが苦手な彼は、エリートを装うストレスを家族への暴力で晴らす。まさに典型的なDVである。

この戦闘態勢の元夫は、無謀にも画面左のボディガードに殴りかかり、あっという間に組み伏せられた。
当日は元妻の自宅への嫌がらせもあり、通報後にやってきた警察官によると「警察が対応すると暴行をエスカレートさせてしまう可能性もあり介入したくない。」(要約)との事。

法律が整備されていなかった当時は行政や司法がDV問題に積極的に介入できなかったが、2014年現在では、証拠なしでも切迫性があればシェルターに避難できる、明確な証拠がなくても警察が警告できるなど法律が整備されている。勘違いしてはならないのは、これらがあくまで行政処分程度の措置であり、刑事事件ではないことで、事件化するのであれば状況証拠と物的証拠を継続して集め、客観的に分析し、冷静に被害を訴えるひつようがある。

このケースでは依頼人が当社のコンサルトを受け、身辺警護を利用する事で事態の切迫性を訴え、警察が依頼人の自宅周辺をパトカーの巡回経路に組み込れるなどの措置が執られ、以降元夫の荒唐無稽な主張や執拗な面会要求なども影を潜め、自体が沈静化し、時間経過とともに解決した。

夫婦間の揉め事は長年にわたる「しこり」が理由であることが多いが特にDVでは幼少期から形成される人格(性格)に問題があるケースも多く、最低でも生活を分離し、離婚を前提に対応しなければ根本解決は無理である。例えば一時的にシェルターに逃げ込み、強いショックを受けた夫が更生を誓い、実際更生したとしても、元の生活に戻ればいずれ近い将来に再発する。
DVも「安定→蓄積→爆発」の無限ループがあることに注意が必要である。

何よりも、実の父親から暴行を受け、実の母親から父親の悪口を聞かされる幼い子供の心中を察すると、ひどく胸が痛む。

このケースの後に当社のストーカーDV対策は、加害者が過去の行為を悔いて自発的に謝罪し、今後何もしないと決意表明するよう誘導(カウンセリング)していく方式(ケース3)に変化した。2014年現在まででこの方法で解決したケースでの再発率は0%である。

ケース1 身辺警護

身辺警護を利用していただいたG1の武豊騎手からご了解をいただき、画像掲載が実現しました。

  • 国内某空港のサクララウンジ
    bg000
    このラウンジは手荷物チェック後の搭乗待合室の片隅にあり、パスワードでドアが管理されJAL会員しか入れない。当日は旅客機にお乗りいただくまでの契約で、同乗しない警護員2名は搭乗券なし、護身用具携帯のまま手荷物チェックを通過、サクララウンジまで入った。VIP身辺警護ではノウハウと事前の段取りが重要。ついて回りのやっつけ仕事では待合室まで入ることすらできない。
  • イベント会場での降車誘導
    bg002

    大勢の観客とマスコミの前を通過して歓迎式典のステージ(屋外)に向かう。式典中はステージ脇から警護し、警護車輌も待機中。警護対象者が有名人の場合は観衆への対応に気を使う。小さな混乱も群集心理であっという間に収拾がつかなくなる。押しのける、殴る、蹴るなどの失礼があってはならない。
  • 施設内での警護
    bg004
    パブリックスペース(公共の施設)では、無関係の第三者への配慮も重要。睨みつけたり、威嚇してはいけない。余計なトラブルの元で依頼主の評判にも影響する。
  • 別会場での降車誘導
    bg007

    車両から施設に入るまでが最も気を使う。周囲360度の人垣の中には、あたかも友人のふりをして握手を求めてくる者もいる。この類の観衆への対応も事前協議の中で「どこまでなら黙認するのか」などの対応手順を確立しておく。