組織危機管理

危機管理とは不利益を可能性の段階から徹底的に排除・予防し、それでも発生するトラブルの被害を最小限に抑制するために整備するシステム全体を意味します。

問題となるのはシステム自体に目に見える生産性がないことで、費用対効果などを理由に多くのケースで議論の対象になります。
しかし従来の「臭いものには蓋をする」方式から対応を怠ると組織自体の信用を失墜させる最悪の結果につながることもあります。一度失った信頼を回復させるためには無限の時間と莫大なコストを必要とします。

逆にトラブルも対処の方法によっては利益につながることに着目するべきです。

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・効果的な組織危機管理の事例
アメリカの大手製薬会社ジョンソン&ジョンソン社の鎮痛剤タイレノールに毒物が混入され、死亡者が出る事件がありました。同社はマスコミが嗅ぎつける前に記者会見で事実を公表し、謝罪。外部の専門家の意見も取り入れ、生産から輸送、販売まであらゆる分野で次々と対応策を決定。マスコミをフル活用して世論に積極的な姿勢をアピールしました。
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結果として同社は急速に落ち込んだ市場シェアを8か月で回復させることに成功しました。
肝心なのは「積極的な対応」です。
マスコミが嗅ぎつけ「ばれる」のと指摘される前に自ら進んで「意見を仰ぐ」のとでは聞き手(世論など)の印象に雲泥の差があります。

トラブル解決のための主導権は当事者にあるべきで、マスコミやマスコミに扇動される世論に掻き乱されるべきではありません。
この関連して発生するトラブルを予防するには積極的に情報を開示する必要があります。様々な見地からの意見を取り入れながら対応策を決め、問題解決のために努力する「積極的な姿勢」を見せる事と「目に見える行動力」を示し、問題解決を成し遂げることこそ最善の危機管理システムでしょう。

このような「積極的な即応能力」の整備に平行してトラブルを可能性の段階から防止する「予防型の危機管理」を整備していくと効果的です。それには組織全体で危機管理システムを構築する必要があります。
概要としては、

  1. 委員会の設立
    危機管理委員会の設立が第一段階です。
    即応体制を充実させるために委員長は取締役など組織としての意思決定のできる役職者を選抜するのがベストです。
    この委員会で対組織内と対外、予防と即応などについて基本方針をまとめ、大概的なコンセンサスを決定します。
  2. 即応チームの編成
    第二段階として、委員会の示す指針を元に商品管理などの対組織内の即応チームと渉外なども受け持つ対外即応チームを編成します。
    各々の即応チームの下にはさらに細分化されたチームがあり、それぞれの専門分野を受け持ちます。
  3. 情報伝達の範囲の決定
    トップダウンでスピーディーに関係者全員の意思統一を図るだけでなく、伝達する範囲の決定も重要です。対組織内と対外など、無関係の情報を全員に伝達しても意味がありませんし、情報漏れの危険性も生まれます。
    「ニード・トゥー・ノー(知る必要のある者だけ知る)」を念頭に、どの情報をどのセクションまで知らせるのか決めることも大切です。
    またトラブルを予防するためには各現場から情報を吸い上げ、分析するシステムの編成も重要です。
  4. 運営と能力維持
    危機管理システムの運営で重要なのは関係者への意識付けの徹底と能力の維持向上を図ることです。特に即応チームのメンバーが専従でなく他業務との兼任である場合は、定期・不定期にシナリオに沿った予行演習を実施するのが効果的です。このシナリオプログラムは他のセクションや部外者との連携も視野に入れた内容で実施されるべきで、システム全体の能力向上を計ります。

などが挙げられます。

システム構築のためのアドバイスや能力の維持向上に関するシナリオの運営などについて、直接に参画させていただく準備をしており、安全確保のための皆様のご尽力の最先鋒として機能できる体制を整備しています。

まずは無料相談からお問い合わせください。

(2014年2月12日に一部内容を更新)

外国人就労

製造業などに多くの外国人が従事していますが、不法滞在・不法就労の温床にもなっています。

外国人の雇用形態には、大別して「派遣」と「実習(研修)」の2種類があります。日系ブラジル人等が派遣、中国人等が研修というのが一般的ですが、その違いを雇用主側が正しく理解しているとはいえません。

派遣で日系外国人は派遣会社と雇用関係にあり、給与の支払いや福利厚生、病欠時の欠員補充などについて、派遣会社が責任を負います。人件費を抑制でき、問題発生時にも責任を負う必要がないというのが、派遣先企業にとっての最大のメリットでしょう。万が一に逃亡し不法就労したとしても派遣会社の責任であり、派遣先企業が責任を追及されることはありません。

対して実習制度を利用して就労する外国人実習生は、自国の送り出し組織と契約しており、国内の受け入れ団体が身柄を管理、地元のコミュニティ(生活共同体という意味のマフィア、華僑)が日常生活を支援し、実習先企業が直接に給与を支払うという複雑なシステムの中で働くことになります。
これは、中間マージンを搾取する悪徳団体を排除するために整備された法律を元にしたシステムですが、問題発生時の責任の所在について問題があります。
例えば、逃亡時の責任は、受け入れ団体が責任を問われますが、実習先企業もマスコミ報道などで社会的な信用面で影響を受け、少なからず被害を受けます。
実習先企業での実習(就労)を名目に発給される入国ビザにも問題があり、途中解雇されても、実習生本人が他の実習先を見つけるか見つける努力をしていれば、ビザの期間中は国内に滞在できます。途中解雇されるということは、勤務態度や生活態度に問題があったからで、このような実習生が他の実習先と契約できるわけもなく、生活費を捻出するためにアルバイト感覚で不法就労に身を染めるわけです。

不法就労=強制送還となりますが、実習先企業が社会的な責任を追求されることもあり、お客様である実習先企業に迷惑をかけたくない受け入れ団体は解雇時に実習生を強制的に送り返したいわけですが、解雇後に直ちに不法滞在とはならず人権侵害などの法律上の問題もあり、帰国を強制することはできません。
そこで当日の就労後に車に乗せ、車内で解雇を申し渡し、突然の解雇に呆然とした状態のまま空港に連れて行き、飛行機に乗せる方法から半ば強制的に出国させることになります。
この時点で問題になるのが給与清算で、送り出し組織と途中解雇時の残存給与を帰国後に清算すると約束しているにも関わらず、中間マージンを搾取されたくない実習生と、給与には関与していない受け入れ団体の間で、給与を受け取らなければ出国しないなどと、空港に向かう車内で押し問答が始まり、実習中に手に入れた財物(携帯電話や電化製品、家具類)の処理方法も含めて徐々に大きな騒動になっていきます。
このままの状態で空港に到着しても、まず実習生が車から降りようとしない、降りても「拉致監禁、誘拐だ」などと騒ぎだす(警察の関与)、例えチェックインできても、空港内のトイレに閉じこもる、出国審査で出国するつもりがないなどと騒ぐ(=入管による出国拒否)、飛行機に乗ろうとしない(不乗)、飛行機の中で騒ぐ(=パイロットによる退去命令)などのトラブルになりやすく、事態はどんどん悪化していきます。

当社がこれまでに移送した実習生の解雇理由の多くは、職場で他の実習生と組合もどきの似非組織を作り、給与を不当にアップさせるよう扇動し、団体交渉を申し入れるなどの勤務態度と、門限を守らないなどの生活態度に関するものがほとんどで、特に中国人実習生によるトラブルが多く、移送中の車内と移送先の空港で騒ぎを起こし、暴れるのも彼らだけです。デタラメで自分勝手な言い分を聞いていると、人格(性格)上の問題以外にも、元々の国民気質や思想教育(特に敵性思想教育では、「自分たちは悪くない」=「他人が悪い」などという根拠がなく、無責任な責任転換に繋がりやすい)の気配を感じます。

これらのトラブルを防ぐには、契約、入国、実習、帰国の各段階での対応手順を確立しておく必要があるでしょう。

まずは、送り出し組織と受け入れ団体の双方が、実習生として派遣するのに充分な適正があるかをチェックする必要があります。契約前の段階で、履歴書の提出や面接だけでなく、リポート提出を義務付け、実習生の教育水準や人格なども把握しておくことが大切です。

解雇時の帰国方法、給与清算と財物の処理について統一した対応手順を確立し、契約時だけでなく、実習中にも定期的に途中解雇の可能性などについて刷り込みを行い、解雇時に文句を言わせない環境を確立しておくことも重要です。

解雇を申し渡すのにも相手の人権を無視するような態度や言動があってはいけません。飛行機の出発時刻を理由に短時間で説得しようとしてもトラブルになります。ある程度の時間をかけて丁寧に解雇理由を理解(納得)させる必要があります。

また、解雇の申し渡し、車輌による移送、移送先の空港内での手続き、飛行機への搭乗の各段階で実習生の監視を徹底する必要があります。通常は、受け入れ団体の担当者が解雇申し渡しから飛行機への搭乗までをカバーしますが、少人数で無理をすることは、逃亡(不法就労)を助長するだけですので注意が必要です。解雇する者の人格や人数、空港までの距離、飛行機の発時刻、前泊の必要性などに応じて必要な人数を補充したり、当社の移送警備をご利用いただくなど、専門家の活用も含めて組織立って対応される効果的です。

(2014年2月12日に一部内容を更新)

民事再生と安全管理

倒産・破産と勘違いされがちですが、民事再生申し立てとは民事再生法を根拠に、裁判所の管理下で支援を受けて会社を存続させようとする手続きです。裁判所に選任される監督委員(弁護士)が申し立て人(債務者)の残存資産の運用を管理し、社員の身分と給与の支払いを保護し、下請等の債権者には、債務者の資産額をベースに債権額に応じて金銭が分配されます。(=全額が支払われることはない)

これまでに関与した民事再生事案では、資金繰りの困窮を理由に、不渡りを出す直前に申し立てるケースがほとんどですが、申し立てに至る経緯を考察すると、新規開発の遅滞、サービスの低下、販売努力の不足などの自滅的な「自己責任」と銀行による不当な貸し渋り、組織的な乗っ取り工作、根拠のない風評被害などの「他者責任」があります。

潰れるほどではなく、回復の見込みがあるにもかかわらず、拡大解釈した銀行が潰してしまえと貸し渋る「複合責任」のケースも多く見られます。

一般的には、

  1. 申し立て
    通常は弁護士が申し立てます
  2. 保全処分
    売掛金等の支払いが停止され、資金不足による手形不渡りは回避されます。
  3. 監督命令
    裁判所が弁護士の中から選任の監督委員を選出します。
  4. 債権者説明会
    下請はもちろん、植木リースや雑誌購読、新聞など、微細な取引業者などを含む債権者に対しての説明会が開催されます。
  5. お客様説明会
    住宅販売などで代金(ローンを含む)を支払ったが物件の納入が済んでいなかったり、銀行や証券会社で資金を運用しているなど、取引が完了していない場合は、お客様も債権者となります。
    ※ 通常は取引業者とは別に説明会が開催されます。 ※
  6. 手続開始決定
    再生の手続きが開始されます。
  7. 再生計画原案等の提出
    概算の弁済率が決まり、メインバンク等の大口債権者から同意を取り付けるための交渉が始まります。
  8. 債権者による債権届出
    届け出ない債権は無効になります。
  9. 債権調査
    届け出られた債権が調査されます。
  10. 再生計画案の提出、債権者への送付
    裁判所に再生計画を提出し、裁判所が債権者にその内容を通知します。
  11. 債権者集会での決議
    参加者の過半数と出席しない債権者の過半数の賛成を受け、再生計画の履行が決議されます。
  12. 裁判所による認可
    債権者集会の決議を元に、裁判所が履行を認可します。
  13. 再生計画履行

という流れになります。
細かな手続きは省略していますが、準備が整っていれば申し立て日を基準に監督命令までは即日中、債権者説明会までが1~2週間、計画原案の提出までに1ヶ月程度、債権者集会から認可、履行までが4~6ヶ月程度とかなりの期間を要します。

もちろん、届け出る債権者の数が多ければ債権調査の期間が長くなりますし、支援の申し出がない場合や複数ある場合には、支援者の選定が遅れる可能性もあります。

これまでに関与したほとんどの民事再生事案で、再生企業としての長期的なリスクは申し立て以前に評価されており、このシミュレートを基準に手続きが進むため、企業危機管理上の観点から指摘する事はありませんが、注意するべき点としては、往々にして自虐的になりがちな態度を改め、「債権者の皆様と一緒に困難な状況を克服し、再生を成し遂げる。」という基本的なコンセンサスを幹部社員だけでなく一般社員にも周知徹底し、会社全体で共有することでしょう。

また警備会社としての観点からは、手続き中に高い確率で発生する債権者によるプレッシャーなどの短期的で突発的な脅威についても注意を払う必要があります。
申し立てがなされた時点で債務者は、監督委員の許可なく資産を運用できなくなりますが、下請などの債権者にしてみれば、親会社から債権を回収できないことは死活問題であり、「無いものは払えない」という理論は通用しません。多くのケースで申し立て前から取引残高の確認が始まり、申し立て直後から、民事再生中と再生後の展開も見据えた債権回収工作が繰り広げられます。債権額の大小にもよりますし、中には紳士的な債権者もいますが、ほとんどは恫喝と恐喝、集団による威力業務妨害まがいの不当要求、裏取引や裏工作の根回しなど、他の債権者より少しでも多く回収するための工作合戦は熾烈を極めます。

回収工作の程度と期間は、各々の債権者が持つ債権額の大小が基準になりますが、友好的であったはずの債権者が豹変する、敵対的な債権者が突然に友好的な姿勢を見せるなど、事前予測が通用しないケースが多く流動的です。

このため、申し立てから再生計画履行までの期間を状況に応じて分割し、安全管理を実施するとよいでしょう。
申し立て前後から債権者説明会(お客様説明会)までを「重点的に安全管理を実施する期間」、その後の債権者集会までは、規模を縮小し、不測の事態への即応能力を維持できる程度に「安全管理を強化しておく期間」と大別し、細かく変化する状況に個別に対応すると効果的です。

  • 重点期間
    債権者説明会までの期間は回収工作が集中しますので、直接応対する一般社員の安全管理が必須です。加えて、登記簿に居宅の住所地が記載されている幹部社員については、直接交渉を望む債権者による夜討ち朝駆けや、付け回しなどの行為に注意が必要で、ご本人だけでなく、ご家族の身の安全も確保する必要があります。
    債権者説明会とお客様説明会は、議題の進行とともに会場全体がヒートアップしていく傾向が強いことに注意が必要です。これまでに関与した中には、とある債権者が壇上の幹部社員に詰め寄り、他の債権者もそれにつられて詰め寄るといった展開もありました。対応次第では修羅場となりかねませんし、説明会以前からヒートアップしているであろう債権者の集団心理にも注意が必要です。
  • 強化期間
    多くのケースで債権者説明会以後の債権者は、債権者集会での賛成票をエサに、再生後の特権的な取引関係なども含む回収額についての裏工作を始めます。表面上の工作合戦は落ち着きますが、回収額に満足する債権者はほとんどいないため、再生計画が履行されるまでは、突発的な事態に注意が必要です。

当社では、身辺警護等の実働業務だけでなく、これまでの経験を軸とした安全管理計画の立案や実践ノウハウの提供、債権者の動向予測などで皆様をサポートする準備があります。まずは「無料相談」からご相談いただき、必要に応じてご利用ください。

(2014年2月7日に一部内容を更新)

企業対象暴力の動向と企業防衛

企業対象暴力で利益を貪る組織としては「暴力団」が有名です。
他にも、「総会屋」や「えせ行為者」、「右翼」や「極左過激派」などがあり、どの組織も威力や暴力を背景に企業・団体を揺さぶり、「しのぎ」を獲得します。

これらの連中を取り締まる立場の警察では、

  • 暴力団や総会屋、えせ行為者など、「暴力のみを背景とした連中」の取り締まりは、暴力団対策室(課)
  • 右翼や極左過激派など、「政治的思想も持ち合わせた連中」の監視は、警備局警備課

と、取り締まりの担当部署を区別し、完璧な縦割り方式で対応します。

ここでは、暴力のみを背景にしのぎを獲得しようとする暴力団や総会屋、えせ行為者の最新動向と企業防衛の概要について、以前に警察庁の担当官から聞き及んだ内容を要約する形式で説明します。
右翼と極左については、別に検証しています。専用ページから確認してください。

反社会的勢力の実態

  • 暴力団
    平成24年末で約63200人(準構成員を含む)が活動しており、減少傾向にあります。
    山口組と住吉会、稲川会の大手3団体の寡占化が著しく、閉鎖的な運営と細分化され続ける組織体系から不透明化が加速しています。
  • 総会屋
    約400人が活動しています。
    平成5年頃の一連の騒動(利益供与関連)後、商法が強化され、平成9年頃から関係遮断の徹底が進んでいます。対して総会屋はこの死活問題を克服するために、リースや広告、書籍販売などに活路を見出しているようですが、利益供与に該当する可能性が高く、企業側も罪を問われかねないため、注意が必要です。総会屋の数は下げ止まっており、暴力団の兼業化や構成員の転職などを踏まえても総数の劇的な変化はない情況です。
  • えせ行為者
    全国で600以上の団体が活動しています。
    連中は同和や右翼を名乗るなどして利権に群がります。押し売りタイプが多く、街宣活動や面会要求、質問状などの威力で業務を妨害し、体力を奪いながら企業や団体から金銭を巻き上げます。

反社会的勢力の行動原理

  • 資金源の多様化
    暴対法の施行で表立った民事介入暴力が難しくなっているため、企業や団体を装い、匂いを消し、怪しまれないようにしています。
    これら暴力団系の企業をフロント企業と呼びますが、一昔前のように「○○一家」などの看板を立てず、代紋入りの仰々しい名刺もひけらかさないため、見分けるのが困難です。あらゆる業種に浸透する彼らの罠にはまると細く長く生血を吸い取られることになります。
  • 費用対効果
    「掴まりたくない」「税金も払いたくない」を理由に、法律のあらゆる隙を突いて企業に喰らいつきます。
    楽にしのげる標的を常に探し求める彼らが関連法令に詳しくなるのは当然です。特に弁護士も知らない(該当する業種でしか通用しない)行政関連法が隙だらけなのが問題で、民事介入暴力関連のトラブルが起こるたびに法改正するなどして締め付けを強化していますが、現状に追いついていないため、注意が必要です。

手口

  • ゆすり・たかり
    企業側に落ち度がなくても、自分達ででっち上げ、巧みな話術で強請り、たかります。
    書籍販売などに多く見られるこの類のトラブルでは、無理難題には応じないという断固とした姿勢が必要です。
  • 乗っ取り
    資金調達などの企業側の弱みに付け込みます。
    「事件師」や「占有屋」など、その道の専門家が関与してきてからでは手遅れです。この類のトラブルは、契約の際に特約事項まで徹底して確認し、安易に署名捺印しないというのが最善の予防策です。万が一、署名捺印してしまったとしても契約の無効を申請する法的手段があります。弁護士や司法書士などの法律家に相談してみてください。
  • 詐欺
    狙いをつけた企業と何度か取引し、信用させてから後払いで納品させ、大量の品物と共に姿を消すという手口が一般的です。詐欺師には組織力があります。連中は徹底して痕跡を消すため、事件後の追跡は困難です。安易に商売のルールを曲げないことが重要で、取引先を徹底してチェックしていれば未然に防げます。

企業防衛の基本

  • 予防
    「つけいられるスキ」をなくすのが最善の予防策です。
    安易に金銭で解決しないのはもちろん、どんな理由があっても暴力団や総会屋を利用せず、取引しないことが基本です。
    また、取引先については実績や社歴などを徹底してチェックするなど、手順を省かず、抜かりなく取引するのが基本です。
  • 早期発見と早期治療
    悪いニュースほど早く伝える必要があります。
    情報伝達のスピードを上げ、伝達範囲をコントロールできるように社内体制を整備する必要があるでしょう。トップダウンにしろダウンtoトップにしろ、知る必要のある範囲での情報伝達のスピードは、会社としての対応策を決定するのに重要な要件です。
  • 一時的な問題解決の撤廃
    安直な金銭での解決は問題外です。
    暴力団などは手を変え品を変え、名前を変えながらトラブルを仕掛けてきます。「取れるところから取れるだけ取る」が、彼らの行動理念で、「金づる」などと思わせたら一環の終わりです。
  • 組織的対応の徹底
    担当者まかせは危険です。相手はゆすり・たかりのプロで、担当者一人で対応するには荷が重すぎます。組織犯罪には組織で対抗するのが基本です。社長などの決定権のある役職者をトップに組織的に対応してください。
  • 当事者の姿勢
    警察に相談しても警察VSヤクザになるわけではなく、当事者VSヤクザでありつづけることを自覚する必要があります。重要なのは当事者の意思統一と積極的な姿勢です。筋の通った方針を立てられれば効果的な対抗策を決められます。
  • 外部の支援
    直接的なトラブルの処理・回避するのに警察の支援は必須です。
    また、自己満足的な対抗策は相手の思う壺です。プロに対抗するには自分もプロである必要があります。外部の専門家の客観的な意見を反映させ、柔軟性を持たせながら能力の維持向上を図るのが得策です。

経営と企業防衛

  • 適応と柔軟性
    経営を取り巻く環境の変化と同様に組織犯罪の動向にも臨機応変・柔軟に対応していく必要があります。完璧主義は隙を生みやすいことに注意してください。
  • 不透明の撤廃
    相手の言いなりなどの安直な問題解決は、後々被害を拡大させ、取り返しのつかない結果を生みます。不透明な問題処理は信用問題に直結します。法律的な根拠のある、明確な方法で問題解決を図れば信用回復だけでなく、信用度をアップさせる効果もあると考えるべきでしょう。

重要なのは、トップの姿勢と会社全体の体制を確立することです。
暴力団は「弱み」につけ込みます。言いなりになることは組織犯罪を助長することを意味します。。金銭支払いによる安直な問題解決は断固拒否してください。積極的に問題解決を図る姿勢こそ社会的信用度を増す効果を生みます。

継続して被害を受けている皆様は「無料相談」からご相談ください。

(2014年2月7日に一部内容を更新)

ケース7 クレーマー

(2007年公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

2014年現在でクレーマー被害の相談数は増加を続けているが、被害を受ける業種が細分化し、多岐にわたっている。
この類の問題では、「お客様からの正当なご指摘」なのか、「クレーマーからの不当な要求」なのかを早い時期に見極める必要がある。
クレーマーには、「不当な要求には応じない」という、断固とした姿勢で対応する必要があり、「時間がかかる」、「面倒だ」などの短絡的な理由から、金銭で解決を図るとクレーマーを助長することになり、クレームにクレームをつけるような、エンドレスの押し問答に巻き込まれ、金銭と時間を浪費することになる。

今回介入した案件は、マンションの浴室工事を担当した施工業者からの相談で、当該物件に居住するクレーマーから、作業ミスを理由に「浴槽などに傷がついた。取り替えろ。」などと執拗に要求されており、対応に困り、施工日も決めて交換の約束をしてしまったとの内容。

本件では、相談以前に、メーカーが短期間の間に何度も浴槽や浴室乾燥機を取り返させられていること、あたかも●●一家の構成員かのように標榜し、「誠意を見せろ。親父を出すぞ。」などと施工業者を恫喝していることなどから、間違いなく不当な要求であり、悪質なクレーマーであると判断した。「誠意を見せろ」=「金を出せ」である。

依頼主には、施工日の前日にコンサルトから直接の対応方法をアドバイスしたが、現場でどこまで対応できるのかは未知数である。そのため、必要に応じて対応方法をアドバイスするためにコンサルタントとして現場に同行した。

  • クレームの根拠となる浴槽の傷
    斜めに強力な光をあてても目を凝らさないと確認できない。ユニットバスでは一般的に、FRP製の浴槽に光沢を持たせるためにアクリル塗装で表面をコーティングする。左画像は、アクリル面がへこむなどし、光の屈折でFRP面に影が映る現象である。常識的に考えて、この程度の傷で浴槽を交換する必要はないし、元々、いつ、どこで傷がついたのか特定することもできず、使用者責任の範疇である可能性が高い。(影の直径は1ミリ未満)
    001
  • 執拗に微細な傷を探すクレーマー
    当日は、依頼主と施工業者、下請と保険調査員に当社を加えた7名で現場に入った。
    002

納品時の対応方法を決めるにも、クレーマー本人についてよく知っておく必要がある。勤務先が●●一家でなく、●●車体という一般企業であること、本件以外にも数々の問題を起こしており、何度も警察のお世話になっていること、自治会でも問題になるほど反社会的で自己中心的な人格(性格)の人間であることなどを調べ上げた。

交換工事は順調であったが、メーカー直送で未開封の浴槽をクレーマーに直接確認してもらう段階で、おかしな展開になり始め、とても傷とはいえないような箇所を見つけては、「気に入らなければ交換させる」などと喚いている。 施工責任者がメーカーの検品をパスした新品の浴槽であることを伝えたが、大声で恫喝するだけで一向に進展がない。
この段階で依頼主が自分と施工業者では解決できないと判断し、当社に介入を指示、当社は依頼主から与えられた工事関係者の身分でクレーマー本人に直接対応した。
施工業者としては、今以上の対応することはできず、浴槽の再交換の要求には応じられないため、今後は消費者相談窓口等、公的機関に相談することを勧め、すでに取り外していた浴槽を戻すことを申し伝えるまでは、穏便な展開であったが、そのうちに理由もなく激昂し始め、周辺住民の人目もはばからず、喚き散らすようにり、こちらの丁寧な口調に腹を立てたのか、ついに掴みかかるという暴挙に出た。

  • 爪で傷つけられた前腕部(暴行から3分後)
    時間の経過とともにミミズ腫れがひどくなっていく。
    003

この類のトラブルでは、万が一に手を出されることがあっても反撃せず、被害を受け続けることが基本であり、好きなようにやらせていたが、前腕部を爪で傷つけられた時点で、目撃者が多数いることを確認し、蛮行をやめさせた。クレーマーは加害者であるにもかかわらず「警察を呼ぶ」などと喚きながら自宅に戻った。こちらも依頼主に110番通報を指示し警察を介入させた。

その後は所轄の警察署と協議し、暴行傷害事件として書類送致し、クレーマー事件としての観点からも罪を問う、という流れで対応することを決め、被害を届け出た。その間、加害者は警察官を相手に「自分が被害者だ。ねじられた腕が痛くて、肩から上に上がらない。殺されるかと思った。」などと、ありもしない被害を大きな声でまくしたてていた。多数の目撃者がいることも忘れているのだろう。今後は、依頼主が内容証明郵便から一切の対応をしない旨を通知する。これで本件は解決するであろう。

クレーマー事案は、テロまがいの企業恐喝である。
今回の事件でも、一人のクレーマーにより、多くの企業とその従業員の経済活動が停止しており、まさしくテロという表現がぴったりくる。
世間では、声高に消費者保護の必要性が論議されているが、これは消費者が正当な権利を主張しやすくするための環境を整備するためであり、イチャモンやゴネ得を許すためではない。自分に都合のよいように履き違えて解釈するのは勝手だが、人様に迷惑をかけてはいけない。

今回の事件では、幸いなことにクレーマーが暴力を振るうという展開に持ち込め、現に被害も出ていることから警察を介入させることができたが、本来のクレーマー事件とは民事事件であり、警察が関わることはない。企業に必要なのは、不当な要求には応じないという明確な姿勢を持ち、徹底して事実を確認、原因を究明し、真摯な態度から、相手に勝るスピードで対応できる体制を整備することである。どの段階でクレーマーと分類・判断するのかについては、自分たちだけで決めず、法律家や専門家を介入させ、外部の第三者の意見も参考に決定するとよい。

手土産等を含む金銭による短絡的な解決は、クレーマーによる犯罪行為を助長し、自らを継続してカモにしてしまう可能性が高いことを忘れてはいけない。

ケース2 ストーカー・DV

(1998年頃公開、2014年2月7日に一部内容を更新)

離婚後の家族面会で元妻(依頼人)と子供(幼児)に暴力を振るう元夫を止めた瞬間。フラッシュなしで撮影した画像を修復したもので、DV事案の切迫性と緊張感を伝えるため、依頼人から了承を得て公開する。
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ぼやけて見にくいが、画面右の元夫は社会的に地位が高く、誰もが認めるエリートである。しかし無趣味で人付き合いが苦手な彼は、エリートを装うストレスを家族への暴力で晴らす。まさに典型的なDVである。

この戦闘態勢の元夫は、無謀にも画面左のボディガードに殴りかかり、あっという間に組み伏せられた。
当日は元妻の自宅への嫌がらせもあり、通報後にやってきた警察官によると「警察が対応すると暴行をエスカレートさせてしまう可能性もあり介入したくない。」(要約)との事。

法律が整備されていなかった当時は行政や司法がDV問題に積極的に介入できなかったが、2014年現在では、証拠なしでも切迫性があればシェルターに避難できる、明確な証拠がなくても警察が警告できるなど法律が整備されている。勘違いしてはならないのは、これらがあくまで行政処分程度の措置であり、刑事事件ではないことで、事件化するのであれば状況証拠と物的証拠を継続して集め、客観的に分析し、冷静に被害を訴えるひつようがある。

このケースでは依頼人が当社のコンサルトを受け、身辺警護を利用する事で事態の切迫性を訴え、警察が依頼人の自宅周辺をパトカーの巡回経路に組み込れるなどの措置が執られ、以降元夫の荒唐無稽な主張や執拗な面会要求なども影を潜め、自体が沈静化し、時間経過とともに解決した。

夫婦間の揉め事は長年にわたる「しこり」が理由であることが多いが特にDVでは幼少期から形成される人格(性格)に問題があるケースも多く、最低でも生活を分離し、離婚を前提に対応しなければ根本解決は無理である。例えば一時的にシェルターに逃げ込み、強いショックを受けた夫が更生を誓い、実際更生したとしても、元の生活に戻ればいずれ近い将来に再発する。
DVも「安定→蓄積→爆発」の無限ループがあることに注意が必要である。

何よりも、実の父親から暴行を受け、実の母親から父親の悪口を聞かされる幼い子供の心中を察すると、ひどく胸が痛む。

このケースの後に当社のストーカーDV対策は、加害者が過去の行為を悔いて自発的に謝罪し、今後何もしないと決意表明するよう誘導(カウンセリング)していく方式(ケース3)に変化した。2014年現在まででこの方法で解決したケースでの再発率は0%である。

ケース1 身辺警護

身辺警護を利用していただいたG1の武豊騎手からご了解をいただき、画像掲載が実現しました。

  • 国内某空港のサクララウンジ
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    このラウンジは手荷物チェック後の搭乗待合室の片隅にあり、パスワードでドアが管理されJAL会員しか入れない。当日は旅客機にお乗りいただくまでの契約で、同乗しない警護員2名は搭乗券なし、護身用具携帯のまま手荷物チェックを通過、サクララウンジまで入った。VIP身辺警護ではノウハウと事前の段取りが重要。ついて回りのやっつけ仕事では待合室まで入ることすらできない。
  • イベント会場での降車誘導
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    大勢の観客とマスコミの前を通過して歓迎式典のステージ(屋外)に向かう。式典中はステージ脇から警護し、警護車輌も待機中。警護対象者が有名人の場合は観衆への対応に気を使う。小さな混乱も群集心理であっという間に収拾がつかなくなる。押しのける、殴る、蹴るなどの失礼があってはならない。
  • 施設内での警護
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    パブリックスペース(公共の施設)では、無関係の第三者への配慮も重要。睨みつけたり、威嚇してはいけない。余計なトラブルの元で依頼主の評判にも影響する。
  • 別会場での降車誘導
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    車両から施設に入るまでが最も気を使う。周囲360度の人垣の中には、あたかも友人のふりをして握手を求めてくる者もいる。この類の観衆への対応も事前協議の中で「どこまでなら黙認するのか」などの対応手順を確立しておく。